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「書き換えだけど改ざんじゃない」 2018年“見出し大賞”はこれしかない理由

「言葉のすり替え」と「ステーキ屋の『うそ』」

2018/12/28
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「6カ月ぶり2回目」のステーキ屋の「うそ」

 12月13日の読売新聞が報じた。

 「『もっとヤジを』『首相発言』撤回」(12月13日)。

《安倍首相は12日夜、麻生副総理兼財務相や河村建夫・元官房長官らと東京・銀座のステーキ店で会食した。河村氏は終了後、会食中の首相の発言について記者団に問われ、「『最近の若い連中、もっと(国会で)元気出してヤジが出てもいいのに』と言っていた」と述べたが、直後に撤回した。》

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《河村氏は今年6月の首相との会食後、首相が「(予算委員会での)集中審議は勘弁してくれと(話していた)」と記者団に説明し、翌日に撤回した経緯がある。》

 ああ、場所も同じステーキ屋でメンバーもほぼ同じ! 河村氏の撤回は「6カ月ぶり2回目」!

 河村氏がよほどウソつきなのか、それとも……。

「撤回」を繰り返す河村建夫氏(右) ©文藝春秋

 私は「1回目」の撤回のとき、次のように書いた(「各紙も首をかしげる、安倍首相“銀座のステーキ屋発言”の謎展開」6月29日)。

◆ ◆ ◆

 首相のマイナスになりそうな言葉や事実はすぐに訂正、否定されることが続く。本当に不思議だ。(中略)しかしこんな小さなことまでいちいち「なかった」ことになると、「大きな事実」に対しての態度もついつい想像してしまうではないか。

◆ ◆ ◆

 言葉のすり替え、書き換え、改ざん、そして「なかった」という撤回。

 もしかして2018年は「なかった」?

 そんなことすら考えてしまう年の瀬である。

「書き換えだけど改ざんじゃない」 2018年“見出し大賞”はこれしかない理由

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