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ライオンズに電撃入団の内海哲也に、秋山翔吾が聞きたかったこと

文春野球コラム ウィンターリーグ2018

2018/12/28
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“日本一”のために必要なスパイスは何か

 プロ1年目から、ほぼレギュラーとして起用され続けてきたが、ライオンズの伝統として「3年間結果を出し続けて、初めてレギュラー」と言われ続けてきた。真の意味で“レギュラー”と言われるようになってから、秋山選手には常に意識していることがある。ルーキー時も含め、自分がまだ出始めの頃から、栗山巧選手、中村剛也選手が示してくれていた姿に倣い、「投手と野手の垣根を取り払うことだったり、若い選手の不安を取り除いてポテンシャルを思い切り出せるようにしてあげること」である。もっと言えば、そうした存在の有無こそが、強いチーム、チームが勝つための鍵であると理解し、その役割を担おうと努めてきた。

 ただ、今季のレギュラーメンバーを見ても、まだまだ「3年連続レギュラー」の条件に適う選手は少ないのが現状である。その中で、同じ思いであった炭谷銀仁朗選手、浅村栄斗選手がチームを去り、来季に向けて心許なさは否めなかったところに、投手とはいえ、絶大な経験値を蓄える大先輩が新たに味方として現れたのである。

「自分が結果を出すだけではなく、どのようにすればあれだけ勝つチームになるのか。チーム構成という部分からわかっている方だと思います。それぐらいのトップクラスの人が来てくれることで、組織としてまた変われる一因になると思う。話をするのがすごく楽しみです」。今年叶えられなかった“日本一”のために必要なスパイスは何か。その一挙手一投足から答えが見出せることを確信している。

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 渡辺久信シニアディレクター兼編成部長も、「うちは、本当に経験の浅いピッチャーがほとんど。ここ数年、リーダーシップを取れるピッチャーが見当たらなかった中で、内海投手は最適な人材。良い意味で、若手投手陣に経験を伝えて欲しい」と大きな期待を寄せる。一方の内海投手も「聞かれたことには答えたいし、僕に出来ることは、野球以外でもしたいと思います」と、新天地での惜しみない経験伝承を自らの役割ととらえている。特に若い投手は、自ら積極的に教えを請い、グラウンド内外、公私にわたり貪欲に多くを吸収すべきだろう。

 人生、何が起こるかわからない。だが、必ずや何かしらの意味があるはずである。内海投手にとっても、西武ライオンズにとっても、この新たな縁がさらなる繁栄を生み出すものであるよう心から願って止まない。

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