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ホークスの「走塁改革」に注目 牧原、周東ら若き俊足はポジションを奪えるか

文春野球コラム ウィンターリーグ2019

2019/01/06

 リーグ優勝をダダダ奪Sh!(ダ――――ッシュ!)。ペナントレースもダイヤモンドもダッシュで駆け抜ける2019年シーズンに期待です!

 2年連続日本一に輝いたものの、全快で喜べるシーズンではなかったのはリーグ優勝を逃してしまったから。ただ、その悔しさを経て、もう一度チームが一つになって戦ってきたから、クライマックスシリーズを勝ち抜き、日本シリーズを制することが出来たのだと思います。昨季の球団スローガン【もう1頂!】に込められた想い通り、一つになれたシーズンだったのではないでしょうか。

 ホークスにとって、球団スローガンとはその年を占う大切なものになってきているように感じます。今年のスローガンは【奪Sh!】(「ダッシュ!」と読みます)。その心は、レギュラーシーズン2位の悔しさから絶対にリーグ優勝を奪い返して日本一になるんだという想い。そして、昨季のホークスに欠けていた盗塁、走塁面においてももっと次の塁を狙って「ダッシュ」していくという想いが込められています。

 ということで、今年のホークスは“足”に注目したいと思います。

「盗塁王コンビ」による走塁改革

 秋から取り組んでいる村松有人外野守備走塁コーチと本多雄一内野守備走塁コーチの「盗塁王コンビ」による走塁改革は必見です。秋季キャンプでは、両コーチが時間を割いて、熱心に走塁指導をする場面が印象的でした。主に本多コーチが選手たちの前でやって(お手本を)見せながら言葉でも伝え、その後ろで村松コーチが頷きながら、時には自身もやってみるというような構図。村松コーチは、「選手に近い立場の、今の本多が考える走塁を聞けるのは大きい。話し合いながらよりよいものにしていきたい」と話していました。春先は「失敗を恐れず積極的に」というのが例年の定番ですが、本多コーチがつい最近まで選手だったことで、より選手に近い感覚を持ちながら指導でき、「さらに強く意識付けができる。思い切ったことをやっていけそうだ」と村松コーチ自身も楽しみにしていました。

 こうして早速、秋からチームを挙げての走塁改革が始まったこと、スローガンに組み込まれた想いなどから考えて、今年期待したいのは足が速い選手たちです! 1軍クラスでいうと、トリプルスリー経験者の柳田悠岐選手、昨季65年ぶりの14三塁打を放った上林誠知選手、守備固めや代走で存在感を示す福田秀平選手など安定感がありますが、【奪Sh!】というのだから、レギュラーメンバーを脅かすダッシュ戦士たちのポジション奪取が期待される1年になるのではないでしょうか!

 まずその筆頭として楽しみなのが、牧原大成選手。昨季は7月に1軍に昇格すると、ブレーキを無くした暴走車のように(笑)、すごい勢いで二塁のポジションを奪取しました。そこから9月末にケガで離脱するまでに、59試合に出場し、打率.317、プロ初含む3本塁打、そしてこの2ヶ月間で9盗塁をマークしました。ちなみにファームでは14盗塁し、失敗は0でした。牧原選手にその話を振ると「そーなんですよ~」とニヤリ。やはり自信を持っていました。

 俊足と言われる選手は多くいる中、この牧原選手の盗塁成功率の高さは際立っています。シーズン通して1軍にいたら、どれくらいの結果を残してくれるのでしょうか。ギュッと濃縮された1軍2か月間でキャリアハイの成績を残し、またケガがなければまだまだやれただろうというワクワク感を持たせてくれました。千賀投手、甲斐捕手と育成同期の今年で入団9年目。プロ初のポストシーズン出場が叶わなかった悔しさもあるはずです。嬉しい経験も悔しい経験も今年にぶつけて開幕ダッシュしてくれそうな予感プンプンです。

ポジション奪取が期待される牧原大成 ©文藝春秋