文春オンライン

「頭の片隅にもない」は本当か?「衆参同日選」の状況証拠は“あの新聞”に

2019/01/11
note

毎日も放り込んできた!

 次に毎日新聞の記事を紹介する。

「選挙イヤー 首相試練 増税、改憲、北方領土… くすぶる同日選」(1月5日)

《首相の念頭にあるのは北方領土問題だ。首相は21日にも訪露してプーチン大統領と会談。6月の主要20カ国・地域(G20)首脳会議の大阪開催の際の会談で「進展」を得て政権浮揚につなげ、参院選を有利に戦うシナリオを描く。》

ADVERTISEMENT

 ここまでは前日の読売の解説どおり。

 注目はここ。毎日新聞も放り込んできた。

《5月の改元やG20開催も政権への追い風になると踏んでおり、「首相は最近かなり高揚している」と首相側近は明かす。》

 同日選挙があるかないかはともかく、確実に夏におこなわれる参院選について「首相は最近かなり高揚している」らしい!

©文藝春秋

 G20の日程は参院選の前に変更した。あとはプーチンへの期待。この状況をロシアが知らないわけがない。

 選挙を前にお土産が欲しい日本側に対し、ロシアは交渉ではいったい何を言ってくるのか。何を要求してくるのか。アドバンテージは向こうにある。あれ、こういう拙速さって国益を損ねてない?

朝日社説は冷ややかに

 そもそも考えておきたいこともある。

 あらゆることが選挙対策のようにみえる今。北方領土問題さえ選挙用にみえる。となると次の論点もやはり必要ではないか。

《「首相の専権」などと仰々しく語られる衆院の解散権にも、縛りをかけなければならない。》

《解散権の乱用問題は古くから論争の的だ。権力の振り分け方を正すという観点から、そろそろ再考すべきである。》

 上記は、朝日新聞の元日の社説に書かれていたことだ。

次の論点は「頭の片隅」に? ©文藝春秋

 元日の社説ということは今の政治状況を見て「亥(い)の一番」の杞憂事項を書いたとも言える。

 亥年選挙の年、政治家の猪突猛進という大義名分には注意です。

「頭の片隅にもない」は本当か?「衆参同日選」の状況証拠は“あの新聞”に

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー