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いつかの「オイッス」ーー僕のヒーロー“カトケン”加藤健が教えてくれたこと

文春野球コラム ウィンターリーグ2019

2019/01/09

すべて終わったのさベイビー・ブルー

 2018年、加藤は今、新潟アルビレックス・ベースボール・クラブの球団社長補佐としてチーム強化と故郷新潟の地域活性化に励んでいる。

 戦力外通告時にジャイアンツは仕事のポストを用意してくれていたそうだがそれを拒み、現役にこだわりトライアウトを受験したのだが残念ながらNPBから獲得の声は挙がらず、現役引退を決意し、現在の仕事を選択した。

 私は会社員として働きながら、若い頃よりもペースを落としながら弾語りライブ活動を行っている。だが、体力の衰えは隠せない。というか、隠すつもりもなくなった今日この頃である。

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 カトケン、最近思うんだ。

 ボブ・ディランの「すべて終わったのさベイビー・ブルー」って、何かが終わってしまう悲しさを歌ってるんじゃない。

 また、始まるさって、始まりの歌なんじゃね~のって。

 お互いに年をとったね。遅すぎることもあれば、もう自由にふるまえないこともある。

 でも、すべてを受け入れて、他人とコミュニケーションをとっていくことで、常識の範囲の中でだけど、どこまで自由に居ることができるか。今はそんなことにチャレンジしてみたいんだ。

 それはあなたの生き方と現役時代にマスクを被り、必死に若手投手をリードしていく加藤さんの姿が目に焼きついているからです。

 まだ知らないことが目の前に現れた時。信じることをもういちど始める時。自分の気持ちを再びやり直す時。

 まずは元気よく私のほうから挨拶していきたいと思っているよ。

 始まりの第一声はあの頃のまま。

 そうだね、いつかの「オイッス~!」みたいに。

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