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「老兵は去る。後進は育てたつもりだ」

中曽根“死んだふり解散”を演出 ©文藝春秋

 近年、力を増す官邸と党本部との乖離を憂えていた。首相周辺から、来たる参院選と憲法改正の国民投票を同時に行う案が浮上すると「野党が改憲阻止のため本気で統一候補を立ててくるから、参院選も勝てなくなる」と難じた。

 森友学園をめぐる財務省の文書改ざんが発覚した折には、「財務相の辞任はやむなし。総理の進退問題にもなりうる」と党内で苦言を呈したともいわれる。直言居士と官邸の距離はじわじわと離れたという。

 久米氏が現場視察する選挙は「必勝」といわれていた。陣営の支援に入るのみならず、選挙区の酒場に気さくに立ち寄り、庶民の声を聞くフィールドワークが決め手だった。

 そんな久米氏が最後に訪ねたのは、昨年9月の沖縄県知事選。翁長雄志前知事の弔い合戦の風を肌で感じ「安倍政権批判がすさまじい。ひっくり返すには時間が足りない」と与党系候補の敗北を早くから周囲に漏らしていた。

 満65歳の誕生日を機に引退を決めた。慰留されたが「老兵は去る。後進は育てたつもりだ」と首を縦に振らなかった。“安倍一強”をよしとせず、潔い引き際だった。

出典元

<紅白出場>純烈メンバー 「凄惨DV」と「三千万」使い込み

2019年1月17日号

2019年1月10日 発売

定価420円(税込)