文春オンライン

強い中国の“コワすぎる”側面――台湾の空港内で暮らす亡命中国人の「独占手記」

“謎の中国人スパイ”から逃げてきた元共産党員

2019/01/10
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「売春施設で働いていた」……ネット上で乱れ飛ぶ中傷情報

 もっとも、よいことばかりではありません。台湾に逃げ込んでから、「L」という人物(原文では実名)を中心とする一団がネット上で私たちへの大規模な攻撃をはじめました。彼女らは台湾当局や世論向けに、私たちを陥れる情報を提供したのです。

ネット上に流布された情報の一部。北京時代に体制内にいたことは確かだが、スパイにしてはその後の逃亡生活がハードすぎるような……(私が知り合った2015年2月以降も、経済面でも人身の安全の面でも相当大変そうな状況である)

 これらの怪情報は荒唐無稽なもので、私が働いていた診療所が売春施設だったとか、私の写真の上に好き勝手なキャプションを付けたものをバラ撒いたりとか、いろいろとあります。このようにして追い詰めてくる行為には、共産党当局のなんらかの意図的な裏工作が関係しているように思います。

(訳者注.以下、具体的な話が続くが、裏が取れないことと紙幅の都合からカットする)

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 目下、ある第三国が私たちを積極的に救援する動きを見せてくれており、同国の移民関連部門も難民としての受け入れの意向を明らかにしてくれていますが、もろもろの煩瑣な手続きがあり、私たちは最終的な決定を待っているところです。

 私たちは中国共産党当局が時代の潮流に従って、民主的な憲政の確立を積極的に推し進め、本当の意味において「自由で民主的で豊かで強い」中国を建設することを求めています。中国はスタンドプレーをおこなってはならず、仮にそうすれば中国は再び苦境に陥るだけで、人道主義上の災難を生み出すだけです。

 私たちの意見としては、国際社会の助けを求めたく、またアムネスティなどの国際人権組織から広く関心を集めたく思っています。私たちが第三国に難民として受け入れられる処置が順調に進むことと、妙な妨害が入らないことを祈るばかりです。

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