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「つつましくて色っぽいというのが女の最高の色気」――樹木希林が遺した生き方のエッセンス

『一切なりゆき~樹木希林のことば~』より

2019/01/22
note

つつましくて色っぽいというのが女の最高の色気

 存在している姿が“けっこうでございます”という遠慮ではなくて、ほっといる立ち姿でも恥ずかしくなるという、その感じがわかったときに女というのは非常に色っぽいんじゃないかと思いますね。まず、それが男と対したときに色っぽいですよね。

 色っぽいというのは、バラの花をくわえて髪の毛をかき分けるしぐさだとか、極端に言えばしどけないのが色っぽいというのではなくて、つつましくて色っぽいというのが女の最高の色気だと思います。

(「ひとつのことをゆっくりしゃべろう 女の色気2」1987年1月)

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2014年の日本アカデミー賞にて、尾野真千子(写真中央)らと ©文藝春秋

女が徳のある、いいシワのある顔相になるためには、本当にとことん自分のエネルギーを使い果たさないと

 いい顔したおじいさんってのは多いけど、いい顔をしたおばあさんってのが少ないんですね。そこが、やっぱり、女の許容量の狭さなんだろうと思うんですね。女が徳のある、いいシワのある顔相になるためには、本当にとことん自分のエネルギーを使い果たさないと。そこまで行きつかないとアカが取れないという、女の体質なんじゃないかと思うんですよ。

(「そして、現代に貞女はいなくなった…」1988年3月)

一切なりゆき 樹木希林のことば (文春新書)

樹木 希林

文藝春秋

2018年12月20日 発売

「つつましくて色っぽいというのが女の最高の色気」――樹木希林が遺した生き方のエッセンス

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