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とっておきの記念日に感動の体験を。まだ見ぬ日本へ。「TRAIN SUITE 四季島」

 列車の客室は、すべてスイート以上。落ち着いた雰囲気のダイニングと広々としたラウンジ、そして沿線の風景を堪能できるスタイリッシュな展望車。JR東日本のクルーズトレイン「TRAIN SUITE(トラン スイート) 四季島」は、2017年5月の運行開始以来、絶大な人気を誇っている。豊かな自然が映し出す四季のうつろいを愛でながら、歴史や文化の奥深さに触れる「深遊探訪(しんゆうたんぼう)」の旅。その旅の途上で、人生の節目となる記念日を迎えた一組のご夫婦がいた。

 
 

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「結婚してから、ずっと海外赴任でしたからね。家内とゆっくり国内旅行を楽しむ機会なんてありませんでした」。こう語るのは総合商社勤続30年の志水隆さん(仮名)。東南アジア、中南米、ヨーロッパと回って、日本に戻ってきたのは2年前のこと。ちょうど銀婚式を目前に控えたタイミングだった。「一生に一度、夫婦で何か記念になることを」と考えていた志水さんが目にしたのが、「トランスイート四季島」運行開始のニュースだ。「“人生の今までにない体験と発見を、鉄道の旅で”。パンフレットのこの一文に魅かれました」と志水さんは笑う。第1期は抽選に外れたものの、ついに昨年秋、3泊4日コースに参加することができた。

 
 
ゆったりとくつろげる「LOUNGE こもれび」。空に向かって枝を伸ばす樹木をイメージさせる
ゆったりとくつろげる「LOUNGE こもれび」。空に向かって枝を伸ばす樹木をイメージさせる

 旅行中「最初から最後まで夢見心地だった」という志水さん。「トランスイート四季島」の旅は、上野駅構内に設けられた専用ラウンジ「プロローグ四季島」から始まる。トレインクルーとの顔合わせを済ませた後、13番線と14番線の間、「四季島」のためだけに使用される「新たな旅立ちの13・5番線ホーム」からいよいよ乗車。シャンパンゴールドのスタイリッシュな車体に期待感は高まる。「四季島」の車両デザインとデザインプロデュースは、フェラーリ エンツォのカーデザインをはじめ、グローバルな活躍で知られるデザイナー奥山清行氏が手がけた。  “陰”と“陽”、“和”と“洋”、相反するふたつの要素を織り交ぜることで、「四季島」ならではの見事なハーモニーが醸し出されている。

先頭車両と最後尾車両にある「VIEW TERRACE きざし・いぶき」。大きく開かれた窓からは流れる自然の風景が 楽しめる。
先頭車両と最後尾車両にある「VIEW TERRACE きざし・いぶき」。大きく開かれた窓からは流れる自然の風景が 楽しめる。
左:伝統的な和の美意識をとりいれた「スイート」右:メゾネットタイプの「四季島スイート」。2階は和室スタイル。
左:伝統的な和の美意識をとりいれた「スイート」右:メゾネットタイプの「四季島スイート」。2階は和室スタイル。

「客室からラウンジ、展望車まで、車両すべてが劇場空間。だからこそ、普段の生活では照れくさくて口にできないような台詞が、すんなり出てくるんですよね」。1日目、「ダイニングしきしま」での夕食。岩崎均総料理長自らが乗車し腕を振るうディナーを堪能した後、志水さんも奥様に25年分の感謝の気持ちを素直に伝えることができたという。「デザートのタイミングで、家内にサプライズでプレゼントを渡したいと、あらかじめトレインマネージャーに相談していたんです。それをクルーの方たちが見事に演出してくれた。夫婦そろって思わず感動……ですよ」。

落ち着きのある雰囲気が料理の味をひきたてる「DINING しきしま」。
落ち着きのある雰囲気が料理の味をひきたてる「DINING しきしま」。
列車内では旬の素材を使った料理が楽しめる。
列車内では旬の素材を使った料理が楽しめる。

 名演出家をつとめた「トランスイート四季島」トレインマネージャー亀井秀介さんに話を聞いた。亀井さんは東北・山形の出身。JALでキャビンアテンダントの経験もあるという。「『四季島』の場合、お客さまがツアーデスクに申し込まれるのは、実際にお乗りいただく半年以上前。そこからわたしたちは旅を組み立てていきます。お客さまの趣味・嗜好をはじめ様々な情報をツアーデスクから提供してもらい、どのようにおもてなしすれば喜んでいただけるか、クルーのみならず、ツアーデスクやスタッフ全員でミーティングを重ねていくんです。『四季島』で記念日を過ごしたいというお客さまには、一生の思い出となる最高の感動を体験していただきたいですね」。「トランスイート四季島」ならではの極上のおもてなし。人生の節目に、あなたもぜひ体験してみませんか。

「TRAIN SUITE 四季島」トレインマネージャー亀井秀介さん。列車内でのサービス部門の総責任者を務める
「TRAIN SUITE 四季島」トレインマネージャー亀井秀介さん。列車内でのサービス部門の総責任者を務める