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ライアン・ゴズリングが語る映画「ファースト・マン」の舞台裏

ライアン・ゴズリング(俳優)――クローズアップ

2019/02/08
note

「人間にとっては小さな一歩だが……」歴史的名言の舞台裏

 本編では宇宙船内から管制室とのやり取りまで忠実に再現された。閉所恐怖症に陥りそうなコクピットでの演技はどのようなものだったのか?

「メーターまでリアルに作られた船内では撮影中の喧騒も聞こえないんです。宇宙服のバイザーを下ろしちゃえば、瞑想してるような気分だから1人の時間を満喫したね。カットがかかっても『コクピットにまだいていい?』って頼んだほど(笑)。船窓から見える地球や宇宙も一切、合成なしで全部スクリーンへ投射しながら撮影しました。だから宇宙を漂う疑似体験も味わえて楽しかったですね!」

©Universal Pictures

 アームストロング船長を演じる上で避けて通れないのが歴史的名言「人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍である」だ。

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「とにかく噛まないように気をつけたかな? これは冗談(笑)。あの名言って、心によぎったものを自然に口にしたそうなんです。映画は時系列に沿って撮影したので、月着陸の場面は最後でした。だからアームストロングの10年間が追体験出来ていたし、耳からは実際の管制室とのやり取りが聞こえていて臨場感も最高。おかげで、僕も力まずに名言を口にできました」

 最後に『ファースト・マン』鑑賞のツボを訊いた。

「本作はただ月を目指した男の映画ではありません。己が帰るべき場所を求め、発見する心を描いている映画だと思います。驚異的な映像と共に存分に楽しんで下さい!」

Ryan Gosling/1980年生まれ、カナダ・オンタリオ州出身。子役タレントとしてキャリアをスタートし、96年映画デビュー。06年『ハーフネルソン』でアカデミー主演男優賞に初ノミネート。16年、ミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』で2度目のアカデミー主演男優賞候補となった。

INFORMATION

『ファースト・マン』
2月8日(金)全国ロードショー。配給:東宝東和
https://firstman.jp/

ライアン・ゴズリングが語る映画「ファースト・マン」の舞台裏

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