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連載歴史・時代小説の歩き方

大矢 博子
2015/09/19

大垣の使いやあらへんで!
――笑ってはいけない水の都24時

genre : エンタメ, 読書

 今日はおやつに、岐阜県大垣市のお菓子屋さん・烏骨鶏本舗から取り寄せた「烏骨鶏カステラ」をいただいております。生地がみっちりしっとりじゅわっと濃厚で、実に美味いんだこれが。

 このお店を知ったのは、8月末の、ツイッターでのあるできごとがきっかけ。人気アイドルグループV6の長野博さんが、石川県での烏骨鶏がらみのロケのため24時間テレビの生放送を長時間離脱し、長野担(担=好きなメンバーを表すジャニーズファンの用語)による「烏骨鶏許すまじ」の呪詛がツイッター上に溢れた、という一件があったのよ。

 数日後、この騒ぎとは何の関係もない烏骨鶏本舗がツイッターで公式アカウントを立ち上げた。中の人が商売上の興味から「烏骨鶏」で検索してみたら「烏骨鶏許すまじ」が大量にヒット、中の人が「何があったんです?」とつぶやいたのをきっかけに、このお店と長野担の思わぬ交流が始まったのだ。これがSNSの面白さ。

 V6の話題で盛り上がる中、巧妙に差し込まれる商品写真が実に美味そうで、まんまと注文してしまったという次第なんだが……そこでふと思ったわけよ。カステラと言えば安土桃山時代にポルトガルから伝わった南蛮菓子。江戸時代の史料にも「角寺鉄異老」(『原城紀事』)、「加須底羅」(『和漢三才図会』)といった昭和の暴走族っぽい表記で登場してるんだぜ仏血義理だぜ夜露死苦。

 でもって南蛮といえば、そう、織田信長! ポルトガルからやってきた宣教師たちは、他の地球儀だのメガネだのと一緒に、カステラや金平糖も信長に献上した。だとしたらよ? 正式な史料はないけど、日本で最初にカステラを食べた有名人は信長だったって可能性、低くはないよね?

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