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ロシアにノーを突きつけられた谷内氏 安倍首相との溝も……

 1月22日に行われた日露首脳会談。日本政府一行はモスクワ市内の定宿に泊まっていた。会談前夜、世耕弘成経産相に誘われ、ホテルのバーに現れた安倍晋三首相。ハイボールを頼んだ世耕氏に対し、首相が頼んだのは意味深な名前のカクテルだった。

「シークレット・ゲスト」

 だが、日本は“招かれざる客”を送り込んだようだ。

健康問題も囁かれる75歳の谷内氏 ©共同通信社

 安倍首相とプーチン大統領のテタテ(通訳のみの首脳会談)後の少人数会合。日本は当初、首相、河野太郎外相、野上浩太郎官房副長官、谷内正太郎国家安全保障局長というメンバーを想定していた。ロシアがプーチン大統領、ラブロフ外相、ウシャコフ大統領補佐官、パトルシェフ安全保障会議書記で臨んでくると見ていたからだ。ウシャコフ氏のカウンターパートは今井尚哉首相秘書官だが、ブリーフィング役として官房副長官の同席が慣例となっている。

 ところがロシアは直前になって、「パトルシェフ氏ではない。オレシュキン経済発展相だ。メンバーは4人」と伝えてきたという。オレシュキン氏のカウンターパートは世耕経産相。外されるのは谷内氏だった。結局、谷内氏は少人数会合後のワーキングディナーから参加したという。

「日露交渉の実務は谷内氏=パトルシェフ氏のルートで動いてきました。平和条約交渉の加速で合意した昨年11月の首脳会談にも谷内氏を同席させている。しかしロシアはその谷内氏ではなく、貿易担当の世耕氏を指名した。実際、事前に期待された平和条約の条文策定作業には着手できず、主な成果は日露間の貿易額拡大でした」(官邸関係者)