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連載すごいアート

柳宗悦が“直観”でセレクト 解説が一切ない展覧会は案外新鮮な体験だ

「柳宗悦の『直観』/美を見いだす力」――すごいアート

2019/02/08

 美術館などで作品を観る時、その傍らには作家名や制作年が記されたキャプションが添えられている。我々は作品と共にそうした情報を確認し、「なるほど」と納得する。

 日本民藝館で開催中の展覧会では、作品の解説はおろか、それが何かという表記一切がない。器や道具、絵画や仏像など、会場には作品のみがずらっと並ぶ。我々はそれらをひたすら観るしかないのだ。

 同館初代館長・柳宗悦は、直観、すなわち「直ちに観る」ことに重きを置いた。そうした姿勢を追体験すべく、今回は作品のみを提示。染付秋草文面取壺などの民藝作品、木喰仏や大津絵など同館蔵の名品が所狭しと展示されている。

 お、これは味がある、どこか可愛い、何の道具なのか? 情報がないが故に自分の率直な想いに耳を傾ける。これは案外新鮮な体験だ。素直にモノを観ることの楽しさに改めて出会う、そんなときめきを感じる展覧会だ。

INFORMATION

「柳宗悦の『直観』/美を見いだす力」
~3月24日 日本民藝館 03-3467-4527
http://www.mingeikan.or.jp/events/special/201901.html