昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2019/02/11

genre : エンタメ, 芸能

現場での「これ違うんだけどな」

―― 他にも、現場で「実際は違うんだけどな」と思うことはありますか?

或布 いや、正直そういうことばっかりで……。芸人さんを驚かせるドッキリ番組で「実際はどんな感じでやるんですか?」って制作側に聞かれることも多いんですけど、リアルに寄せれば寄せるほど、演出上分かりにくい。

或布理萬さん

―― では、北野武さんの『アウトレイジ』の掛け合い(※)なんかは、リアルではない?

或布 あれは……どうなんですかね。映画はおもしろかったですけど、掛け合いの時点で「バカ野郎この野郎」って怒鳴っちゃってるじゃないですか。あれだともうケンカが始まってますよね。

※……舌戦を繰り広げること。

―― 本当は前段階があるのに。 

或布 ええ、いったん口火を切っちゃったら飲み込めないんで。「お前、馬鹿野郎って言ったな」ってなっちゃう。掛け合いは、どちらかというとフリースタイルのラップのごとく言葉を吐いて、相手に物言わせない、みたいな。

左から武蔵武さん、或布理萬さん、倉本宙雨組長

―― 他にも「いやいや、これはないだろう」というエピソードがあれば。

或布 彼女の実家に挨拶に行ったらお父さんがやくざの親分で、彼女は跡取り娘だったとか(笑)。そもそも一本どっこ(※)の組織って昔からほとんどないんですけど、なぜかテレビでは好まれるシチュエーションですね。

 ドッキリのターゲットになっている彼氏さんに「じゃあ親子の縁組しようか」といって盃を持ってきたりするのも「いや、ないないない」って思うんですけど、おもしろいので、ちゃんと盃を包む半紙の折り方とかを伝えたりはします。

※……広域暴力団とは別の、独立した組織。

左から倉本宙雨組長、吉田丸さん、高倉亭どん兵衛さん

西田敏行さんとか、中尾彬さんも半端ない

―― いろいろな世界の大物を見てこられたとおもいますが、現場で「この人オーラあるな」「貫禄あるな」と思った人は誰でしょう。

或布 浜田雅功さんや松本人志さんですかね。僕、全然緊張しないタイプなんですよ。大観衆が見守る真ん中で全裸でウンコしろって言われてもそつなくこなせると思うんですけど、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』に出演したときは本当に緊張した。

倉本 千葉真一さんとかもすごかったね。

或布 あと、西田敏行さんとか、中尾彬さんも半端ないですよね。すごいです、出してくるオーラが。