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連続インタビュー
おしえて、ウェブのセンパイ! 4人が語るオンラインメディアの現在とこれから

柳瀬 徹
2017/02/04

女の子に受け入れられるものって、ロジックじゃないんだなと

C Channel株式会社社長 森川亮さん #1

「縦長の動画しかありません」で振り切った

――重ねてお聞きしますが、もともとお好きだったわけではないのですね。

 いやあ……正直いってわからないです(笑)。前職はゲーム事業でしたが、ゲームもあまり好きじゃなかったんです。そのほうが客観的に見れますからね。かつて在籍した日本テレビでは、ジャイアンツを好きすぎる人は採用しないというルールがありました。勝った時と負けた時で映像のクオリティが変わってしまうんだそうです。一歩引いて、客観的に見られないとビジネスにはなりません。

――きゃりーぱみゅぱみゅさんの所属するアソビシステム代表の中川悠介さんに、フェイスブックで声をかけて会いにいったそうですね。

 原宿と言えば中川さんですからね。

――そうですよね……と勢いで言ってはみましたが、何のことやら(笑)。

 青文字系の中川さんか、東京ガールズコレクションを手掛けた赤文字系の村上範義さん(株式会社W mediaの代表取締役)、現代の女の子のことを聞きにいくなら、このどちらかですね。

――中川さんとはすぐに意気投合されたのですか?

 そうですね。初対面でしたけど、すぐに。中川さんには僕がLINEの社長ということで、関心をもってもらえたんじゃないですかね。中川さんにはこれからのアーティストはネット中心に活躍していくという確信があって、でもITには詳しくない。だから僕に教育してほしいという気持ちがあったんだと思います。

 

――C CHANNELはほぼ動画だけのメディア、これはかなり勇気がいることだと思います。送り手にはリッチコンテンツとして動画を埋め込んでみても、ユーザーはスルーしてしまうことが少なくありません。

 確実に動画の時代が来るという確信がありました。通信回線は、必ず年を経るごとに太くなるんですよね。ハンゲームでオンラインゲーム事業をしていたころはまだダイアルアップ接続が主流で、「オンラインゲームをやる奴なんかいないからやめろ」とさんざん言われました。でも孫正義さんがYahoo!BBを始めて、ブロードバンド化が加速してオンラインゲームがブームになりました。転換期の少し前にやっておかないと、来てからでは遅いんですよね。

 あとは、動画に振り切ったほうがわかりやすいと思ったんです。わかりにくいコンテンツは受け入れられないし、あれもこれもは一番わかりにくい。「これしかありません」のほうがわかりやすいと思うんですね。縦長の動画しかありません、と振り切った結果です。

 

――LINEもメッセージングアプリとしては機能を絞り込んでいたと思いますが、発想が似ていますね。

 いろいろな失敗をしてきましたから。以前は不安なので、いろいろなものをつけてしまいがちでした。そのほうが喜ぶだろうと思ってやってみると、そこそこはいけても、大きくはならない。ボンヤリしていたからだと思ったんですね。ひとつの価値で見てもらえないと、プロダクトでもメディアでも大きくするのは難しいと思います。

――縦長の動画はネットでもまだまだ少数派なのかなと思いますが、そこにこだわる理由は。

 スマートフォンはみな縦型ですから、必ず縦長の時代になるだろうと。縦も横も用意することも考えましたが、インパクトが弱い。縦しかないというところが売りになるかなとも思いました。

――再生時間はどれくらいがちょうどいいものなんですか?

 最初は3分を超えるような長さの動画もありましたが、1分ほどのものに収斂しましたね。クリッパー(C CHANNELで配信される動画は「クリップ」と呼ばれ、クリップを投稿する人を「クリッパー」と呼ぶ。クリッパーの多くはモデルやタレント)の自撮り動画も多かったのですが、そっちはユーザーにあまり受けなくて、自社制作動画の比率を高めました。

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