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2018年総裁選へ反安倍に舵を切った進撃の石破茂60歳

2年前に派閥「水月会」を立ち上げ ©文藝春秋

 自民党の石破茂元幹事長(59)がこのところ、天皇退位問題などで、積極的に発信している。昨年8月に地方創生担当相を外れて無役になって約半年。2月4日には60歳の還暦を迎える石破氏、今年が「ポスト安倍」の勝負どころと踏んでいるようだ。

 まず、石破氏がさかんに発言するのが天皇陛下の退位問題だ。閣僚を退き、党総務になって以降、何度か意見表明したものの取り上げられる気配はなし。1月27日の総務会では「この進め方には多くの問題がある。閉ざされた場で、限定された人数でやることが静かな議論だとは思わない」と演説をぶった。

 自民党は、高村正彦副総裁を座長とする14人の懇談会で、退位の法整備を議論している。石破氏はこの閉鎖性を問題にし、「議員の意見をもっと聞くべきだ」との注文だ。

 他にも、受動喫煙防止強化に反対する緊急集会でも「人にはそれぞれの楽しみや価値観がある」と、喫煙派の立場からの意見を表明するなど、物申す場面が増えている。

 また、ネットでの発信は、側近の平将明衆院議員が中心になって石破氏のLINEスタンプを作ったり、派閥総会でのあいさつを石破派のホームページにアップするなど積極的だ。

 ただ、石破氏の課題は、リアルの方だ。2012年の総裁選でも、地方票では首位に立ちながら、国会議員票で逆転された。

「その後、党で絶大な権力を握る幹事長に就いたものの、国会議員の間で石破ファンが増えたという話は聞かない。一緒にいて楽しい人じゃないから、石破さんの支持は“富士山型”。遠くから見るときれいだが、近くにいくと……」(永田町関係者)

 石破氏も弱点は自認しており、ウイングを広げようと悪戦苦闘しているという。

「来年の総裁選を見越して、安倍晋三首相と距離のある額賀派に接近しているようです。昨年、犬猿の仲だった青木幹雄元官房長官と手打ちしたとの情報も流れました。青木氏は今も額賀派に大きな影響力を持っており、反安倍で重なるところもあります。また小池百合子都知事は12年の総裁選で石破氏を支持しており、側近の若狭勝氏も石破派所属。連携を模索する動きも出てきそうです」(同前)

 勝負に出た年男の石破氏。“アクセルとブレーキを踏み間違える男”と言われて久しいが、今度は大丈夫?

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