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今季の目玉、糸井が故障 キャンプ前から大誤算の阪神

「呆れました。今季最大の目玉選手が、キャンプイン前に脱落したわけですから」

 ベテラン記者が嘆くのは、1月24日に阪神が発表した糸井嘉男外野手(35)の故障だ。このオフにオリックスからFA移籍した糸井は、1月中旬に自主トレ先のグアムから帰国。その後は大阪で調整していたが、ウエイトトレーニング中に違和感を覚え、「右膝関節炎」と診断された。沖縄での1軍キャンプには帯同するものの、当面は別メニュー調整となるらしい。

 今季一番の注目選手の離脱にさぞ球団はガッカリしているかと思いきや、

「『糸井はなぁ……』という程度の反応ですね。球団内では今回の故障に誰も驚いてませんよ」(スポーツ紙デスク)

 というのも、糸井には2013年に右膝、15年には左膝を痛めた過去がある。

「実は今オフ、巨人も糸井を水面下で狙ってたようですが、膝に不安があった本人が『天然芝(の甲子園)がいい』と言って巨人入りの目が消えたとか」(同前)

金本監督の「初めての恋人」だったが…… ©共同通信社

 阪神のフロントからすれば、「故障は想定内」(同前)だったというが、ならば、なぜ、35歳の選手を4年総額18億円(推定)という大型契約で獲得したのか?

「金本監督が惚れ込んでゴリ押ししたからです。自身がカープから移籍した03年にチームが優勝したときのような活躍を期待してのことでしょう。オーナーの絶大な信頼を得ている金本監督には誰も逆らえません」(同前)

 当の金本監督は、糸井故障の一報にも、「重傷ではなさそうだし、大事を取ったということでしょう。ちょっと練習し過ぎたということじゃないかな」と動じる風はない。

「金本監督は福留を1塁にコンバートして、糸井は守り慣れたライトで起用する考えでしたが、福留が『外野でやりたい』と拒否した。そのため、糸井はセンターに回ることになり、自主トレで張り切り過ぎたのも故障の一因かもしれません。“宇宙人”と言われる糸井ですが、人気球団で期待に応えなきゃという重圧もあったようです」(前出・ベテラン記者)

 今季の阪神のチームスローガンは「挑む」。その構想の中心を担うはずだった選手が、まずは開幕1軍入りに「挑む」あたり、いかにも阪神らしいと言えなくもない。