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総裁選に意欲の岸田外相が官邸の外務省イジメに白旗

設立から60年を迎える宏池会の領袖 ©文藝春秋

「仲間を増やすことは大事だが、ただ増えればいいというものではない」

 今月3日、TBSの番組で、こう述べたのが岸田文雄外相(59)だ。

「昨今、永田町で岸田派と麻生派などが合流する“大宏池会構想”が浮上していることについて、慎重な姿勢を示したものです。一方で、年明けのインタビューでは『安倍首相時代の後、政治家として何ができるのか考えたい』と初めてポスト安倍を意識した発言をするなど、動向が注目されています」(政治部記者)

 外務大臣としての在職日数は大平正芳元首相を超え、戦後2位に。祖父・父ともに衆院議員を務めたサラブレッドが、いよいよ“ポスト安倍”に名乗りを上げた格好だが、外務大臣としての存在感は意外なほど希薄だ。

「一言でいえば“蚊帳の外”ですね」とは官邸関係者。

「安倍政権では、外交は官邸マターで、外務省は外されている。それどころか、日露交渉失敗の責任を押し付けられ、“粛清人事”が行われた。10日の日米首脳会談にしても、1月半ばの安倍首相の外遊に随行していた今井尚哉首相秘書官が、日程を途中で切り上げて、渡米して日程調整をした。外交問題について、官邸で岸田さんの名前が出てくることはほとんどない。むしろ、官邸の本音は“岸田潰し”でしょう」(同前)

 それが如実に現れたのが、慰安婦像設置をめぐり長嶺安政駐韓大使が帰国した一件だ。

「これも官邸主導で決まり、発表したのは菅義偉官房長官でした。長嶺大使は1月9日以来、未だ帰任していません。外務省は早く帰任させたいが、官邸が許さない。19日に安倍首相と対応を協議した岸田さんは、あっさり引き下がった。これには省内からも『役に立たない人だ。結局、わが身がかわいいのか』と不満の声が噴出しました」(外務省関係者)

 岸田氏の性格も“不人気”に影響しているという。

「人柄はいいのですが、とにかく面白みがない。囲み取材でも、『注視します』か『総合的に判断します』がほとんど」(前出・政治部記者)

 岸田氏の知人がこう漏らす。

「岸田さんは、大宏池会構想を実現して、保守本流の政権を作りたいと思っています。ただ、先日、ポスト安倍への意欲を聞いたら、『永遠の総裁候補だったりしてー』と。思わずズッコケました」

“ポスト安倍”を目指す岸田氏の動向を「注視」したい。

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