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半数が飲酒運転だった! 東京の水上バイク、ルール改正へ

 戦後の高速道路建設で長らく日の目を見なかった首都・東京の水上交通が、東京五輪を前に、まさに水面下で盛り上がりを見せ始めた。警視庁の有識者懇談会が1月31日、業界のルールを再整備するよう提言。水上バイクの暴走等が水上交通の活性化を妨げているとして、警視庁は関連条例の改正の検討を始めた。

 警視庁担当記者が解説する。

「検討を始めたのは東京都水上取締条例という水上交通のルールの改正です。実は、この条例が施行されたのは昭和23年。以来、ほとんど改正されておらず、水上バイクは、飲酒運転や速度超過などの対象外でした。結果、衝突事故が絶えず、死傷者も出ていることから、条例改正に乗り出したのです」

日本橋の真上を横切る首都高 ©共同通信社

 実は、警視庁が昨年4~7月に実施した調査では、水上バイク1041隻のうち約4割がスピードの出し過ぎなどの問題のある走行をしていた。同年6~8月に都内のマリーナで調査したところ、水上バイク127隻に乗っていた操縦者のうち、ほぼ半数が飲酒後に操縦していたことも判明。昨年5月には葛飾区で水上バイクが護岸に衝突し、運転していた女性が重傷を負い、同乗男性が死亡するという事故も発生している。

「有識者懇談会が提言したのは、水域によって航行できる船舶の種類を制限することや、飲酒運転、騒音走行などへの規制です。水上バイクの締め出しではなく、あくまでルールの整備。背景には東京都が、東京五輪に向けて水上交通の活性化を政策に掲げていることが大きい。都の予算で運営している警視庁もそれに協力する格好になった」(同前)

 時代劇や時代小説でも、川下りの場面が頻繁に出てくることからも察せられるように、東京の水上交通は江戸幕府の開府以来、300年以上にわたって発展を続けてきた。

 転機は戦後。初めての五輪開催を前に政府は高速道路の建設を推し進めるなかで、権利関係の処理も容易で交通の要所を押さえる河川の上に次々と高速道路を作っていった。日本橋の空を塞ぐように覆い被さる首都高速の景観はあまりにも悪名高い。

「水の都を売り出したい」

 かつてメディアのインタビューでそう答えていたのは、舛添要一前都知事だった。小池百合子現知事は東京五輪に向け、この施策を貫ける?