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連載シネマチャート

平和な「イタリア最南端の小さな島」に漂着する難民の過酷

シネマチャート

〈解説〉

ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を獲得した『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』のジャンフランコ・ロージ監督が、イタリア最南端のランペドゥーサ島へ移り住み、1年半にわたってカメラを回して完成させたドキュメンタリー。12歳の少年サムエレと友人、海に出る漁師や船乗り、家族のために料理をつくる女性、島民のリクエストに応えるラジオDJなど、島民たちの平和な日々が綴られる。その一方でカメラは、アフリカや中東から命をかけて地中海を渡ってきた難民や移民たちがヨーロッパへの玄関口であるこの島に漂着する様子と、彼らの過酷な人生を映し出す。島に1人しかいない医師を唯一の接点に、島民と難民の人生を静かに編み上げ、世界が向き合うべき問題を提示する。第66回ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作。114分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆難民が押し寄せる島の人々の暮らし。老女のベッドメーキングをじっくり撮っている場面が印象的。「文化」の象徴のよう。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆シチリアよりアフリカのほうが近い因果な島。静かな日常を見据える視線が「落差」を伝え、観客の想像力に働きかける。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★☆☆押し寄せる難民を救うのは当然だが、その後の生活支援を考えると、己の中に自国ファーストを実感。凄まじい現実だ。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆詩的昇華が写実の精度を邪魔しない。丹念な編み方で世界把握の解像度を上げていく。この監督の前作よりも惹かれた。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆島の人々の日常と海上の難民の地獄絵図。少年の片眼と難民の片眼。対する事柄は交わらぬまま観客を現実へと突き上げる。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
©21Unoproductions_Stemalentertainement_LesFilmsdIci_ArteFranceCinéma
INFORMATION

「海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~」(伊・仏)
2月11日(土)より、Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー
監督:ジャンフランコ・ロージ
http://www.bitters.co.jp/umi/

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