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連載近田春夫の考えるヒット

近田 春夫
2017/02/12

MWAMの新曲を聴いて「ロックってのはこれな!」

『Dead End in Tokyo』(MAN WITH A MISSION)/『原宿いやほい』(きゃりーぱみゅぱみゅ)

絵=安斎肇

 人間というものは――冒頭から相当に大上段のかまえではあるが、俺もそろそろ六十六だかなもんで、そのぐらいの発言はしちゃうよォ――どうにも自分の興味ないことに関しては反応の冷ややかになりがちな生き物である。

 故に、例えばアイドルに血道を上げては、おんなじCDを大量に買い込んだりするような、しかもそれがいい歳した大人だったりして、といった話を聞けば、

「バッカじゃなかろか」

 とせせら笑ってしまうひともそれなりにいるらしい、この現実もまたむべなるかなと申しますか……お、いけね。早くも話がそれまくりだァ。

 さ、本題に入りますかね。

“狼くんの被り物”での演奏が「売り」のバンドに本気で夢中になれるなんて――幼稚園に通うような年齢ならいざ知らず立派な成人がですよ――どんなメンタリティの持ち主たちなのよ一体(笑)。そんな半畳も何処吹く風。人気は一向に衰える気配なし、どころかむしろ右肩上がりなのだそうな。

 たしかに絵面抜きで新曲の『Dead End in Tokyo』などに耳を傾ければ、決して幼児向けの製作物じゃあないことはよくわかる、のだが……。

Dead End in Tokyo/MAN WITH A MISSION(SONY)映画『新宿スワンII』主題歌。Dead Endは行き詰まり、袋小路という意味。

 ここはアピアランスとのギャップを愛でるという、それこそ“風流”ととらえるのが、MAN WITH A MISSIONとの正しい関わり方ってことなんですかね? そこんとこまではさすがのわたくしもよくわかっておりません。あしからず。

 ちなみに今作品は映画主題歌なのだそうだ。が残念。観ていない。なので双方の関連性はよくわからない。

 そんなこんなで、今週も楽曲に絞っての個人的な感想にとどまらざるを得ないが、いってしまえば“ロックらしさの集大成”を目指しているのかなぁと。絵に描いたような、といい換えてもいい。ならば歌詞が英語なのも当然である。

 とにかくそうした“いかにもな仕上がり”の演奏を聴いていると、むしろロックってのはこういう音楽のことな! といった強いメッセージあるいは意志が、なんとなく俺には伝わってくる気がするのだが、それはいくら何でも見(聴き)かたが“うがち過ぎ”というものなのだろうか?

 ところで。英語で何を歌っているのかチェックしようと、ネット上の対訳を読むと、全編――おそらく映画の舞台なのだろう――歌舞伎町についての具体的描写なのだった。

原宿いやほい/きゃりーぱみゅぱみゅ(WARNER)中田ヤスタカのソロ楽曲、『Crazy Crazy』と同時収録。シャープアクオスCMソング。

 昨今では主題歌といいつつ“イメージソング”と称して全然本編とは無関係な歌でお茶を濁すのが習わしにもなってしまった感の強いjpop界である。なかなか狼くんたち誠実じゃないのねぇ、と。妙なところで好感を持ってしまった次第でありますが、それにしても歌詞においては単位あたりに盛り込める情報が日本語と比べて英語の圧倒的な勝利なのだなぁと。見比べるときっとイヤんなっちゃうから検索は禁止しますね(笑)。

 きゃりーぱみゅぱみゅ。
 なんか地味だねぇ……。戦略なのかもしれないけどさ。

今週の告知「以前、上祐史浩氏と対談をしたけれど、またまたやることになりました! 今度は大阪のロフトプラスワン・ウエスト。上祐氏にだいぶ気に入られちゃったみたいだね。トランプ大統領やらイギリスのEU離脱やら、最近の世界の動きについて、ふたりでいい加減なことを述べあおうという趣旨です」と近田春夫氏。「2月13日、みんな来てねー」

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