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甘利明が復権狙い麻生派入り 派閥拡大競争の陰に“大臣病”

本人が計100万円を受け取り辞任 ©文藝春秋

 安倍一強時代が続く自民党内で、にわかに派閥拡大競争が熱を帯びてきた。甘利明前経済再生担当相(67)が、4人を引き連れて、麻生派に入会したのだ。二階派を一気に抜き去り、岸田派にあと1人と迫る党内第四派閥(45人)となった。

 甘利氏は1年前、大臣室での50万円受け取りなど多額の金銭授受と秘書(当時)の口利きが発覚し、大臣を辞任。“睡眠障害”を理由に国会を休んでいたが、東京地検特捜部の捜査が終わると体調が回復したとして、復権をうかがっていた。

「他の4人も神奈川県の衆院議員です。復活を狙う甘利氏は迷っていたが、側近の田中和徳衆院議員に突き上げられた」(自民党関係者)

 田中氏は当選7回ながら未入閣だ。内閣改造のたびに、期待に胸を膨らませてきたが、「身体検査でひっかかる」(官邸関係者)。

「さらに福田峰之、中山展宏の両氏は、小選挙区で一度も勝っておらず、次期衆院選の差し替え対象になりかねない。寄らば大樹の陰で、麻生派入りを決断したようです」(前出・自民党関係者)

 これで神奈川県内の麻生派議員は11人にまで膨張した。

「最近、麻生氏と亀裂が深まっている菅義偉官房長官は神奈川県が地元。昨夏の参院選では対立しており、心穏やかではないでしょう」(同前)

 麻生氏がみんなの党出身で現職の中西健治氏を推したのに対し、菅氏は地方議員に大号令をかけて、参院比例からくら替えした三原じゅん子氏を全面支援。菅VS麻生の「神奈川代理戦争」と騒がれた。

 一方、麻生派に抜かれた二階派(41人)だが、所属議員はこう余裕をのぞかせる。

「二階(俊博幹事長)さんの豪腕、面倒見のよさに期待を寄せる議員はいっぱいいる。中でも平沢勝栄衆院議員は、自ら所属する石原派と二階派の合併に意欲的です。平沢氏も当選7回で適齢期ですが、15人の石原派にいてはなかなか入閣できないと焦りをつのらせています」

 さらに、岸田派も麻生派、二階派の追い上げに危機感を強め、動き出した。

「もともと宏池会という同根だった麻生派や谷垣禎一前幹事長のグループと再結集させる『大宏池会』、谷垣グループとだけ組む『中宏池会』などの構想が浮上しています」(政治部記者)

 派閥復権は、自民党の強さなのか、それとも驕りの現われか。