昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載THIS WEEK

後藤 直義
2017/02/16

炎上DeNA 延命を模索する人気女性サイト

土俵際の守安社長 ©共同通信社

 信憑性のない医療情報の掲載や無断転載が表面化し、昨年末から運営しているキュレーションサイトをすべて閉鎖している大手IT企業の「DeNA」。

 今月8日に開かれた決算会見では、この事業に投じたお金を損失として認めて、38億円を減損処理した。

 守安功社長(43)が“一目惚れ”して買収した、住宅情報サイト「iemo」や、女性ファッションサイト「MERY」の事業価値を、文字通りゼロ円だとみなした訳だ。

 今後の見通しも、「何も決まっていることはございません」(守安社長)という、簡素な説明がなされただけだ。

 もはや命運が尽きたかに見えるキュレーション事業。しかし社内では、現在閉鎖しているキュレーションサイトの「存続」を模索する動きもあるという。

「生存確率がダントツに高いのが、MERYです。『sweet』など人気女性ファッション誌の編集者や、営業担当者を他社から大量採用し、社員数は200人を超えています。今さら引くに、引けません」(DeNA社員)

 20代を中心に若い女性の熱烈な支持を集め、高級ファッションブランドから、化粧品メーカーまで広告依頼もひっきりなしだった。

 そのためキュレーションサイトの数こそ合計10個あったが、収益面では、全体のおよそ半分をこのMERY単体で稼いでいた。問題発覚のきっかけは医療情報サイトだったが、ビジネスとしては、こちらが“本丸”だったのだ。

「あまりの人気に、男性社員に、合コンなどで名刺を配ることを内規で禁じていました」(MERY社員)

 MERYが閉鎖した喪失感から、「メリーロス」という症状を訴える女性たちまで登場し、ファッション業界からも広告の出し先がないから困ると、存続論が高まっているというのだ。

 女性ユーザーの心を再び掴んで、復活できるのか。手痛い目にあった守安社長の生き残りもそこにかかっている。

「その他のサイトを捨ててでも、MERYを復活できれば、V字回復につながるのでは」(出版関係者)

 だが、目下、DeNAでは第三者委員会が問題点を検証しており、その結果と改善策なくして出直しはできない。