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小山 貴
2017/02/18

米国に強制送還? スノーデン氏を待ち受ける運命とは?

元CIA職員のスノーデン氏 ©共同通信社

 今月10日、米NBCテレビは米情報当局の話として、プーチン・ロシア大統領が元米国家安全保障局(NSA)局員、エドワード・スノーデン氏をトランプ米大統領に「お土産」として引き渡すことを検討していると報じた。

 NSAとCIAの局員として活動していたスノーデン氏は、2013年に個人情報収集の手口を欧米紙などに告発。同年6月、米司法当局はスパイなどの容疑で、スノーデン氏が逃亡していた香港政府に逮捕を要請した。

 スノーデン氏は、現在はロシアに亡命。今年1月には、在留許可が2020年まで延長されたという。

 報道が事実とすれば、なぜプーチン大統領は、このタイミングで同氏の引き渡しを検討しているのか。

 実は、トランプ大統領は昨年3月の共和党討論会で「スノーデンはスパイなので取り戻さなければならない。ロシアが米国を尊重しているのなら、彼をすぐ米国に引き渡したはずだ」と発言している。

 この発言を受けて、トランプ新政権に恩を売っておきたいというプーチン大統領の思惑があるのかもしれない。

 スノーデン氏自身は、昨年12月、米テレビ局のインタビューに応じて、こう語っている。

「(ロシアが引き渡すとすれば)私がクレムリンの人権政策を批判したり、米大統領選でロシア当局が米国にハッキングを仕掛けたと指摘したからではないか」

 今回の報道を受けて、スノーデン氏はツイッターで〈これで自分がロシア情報当局の協力者でないことを証明できた〉と“歓迎”を示しつつも、〈もし、私が米国に強制的に送られれば人権問題になる。私は大統領批判を行なっていない。憲法に反する政策に反対しているまでだ。偉大な米国を再び取り戻したい〉と新大統領をけん制した。

 スノーデン氏のロシア人弁護士は「ロシアがスノーデンを米国に引き渡したがっていることを示すシグナルは全くない」と報道を否定したが、同弁護士によると「本人は米国に帰りたがっており、米大統領が本人を訴えないことを希望している」という。

 仮に強制送還となった場合、30年間の服役となる可能性もあるという。トランプ大統領の審判が注目される。