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池上 彰
2017/02/27

池上さんが本を選ぶコツは?

池上さんに聞いてみた。

Q 池上さんが本を選ぶコツは?

 池上さんは、本屋に行くとまずどこからチェックしますか。書評などもたくさん書かれていて、いつも楽しく読んでいます。本を選ぶときに気にしているポイントなどがあれば知りたいです。(30歳・女・会社員)

A いい本は、持ったときの手の感覚が違います。

 私はほぼ毎日書店に顔を出します。いつも使う駅の近くの書店やターミナル駅の書店、都心の書店など、一日に複数の書店を回ることもしばしばです。

 毎日のように見て回っていれば、新刊が入荷すればすぐに気づきますから、書店での滞在時間は短くて済むのです。

 書店は展示方法にそれぞれ特徴があり、いつも顔を出していれば、特徴がわかります。新刊書のコーナーでも、どの本に力を入れて売ろうとしているのかは一目瞭然です。

 大きなニュースが起きたときに、それに関連した書籍を集めて目立つようにしていると、「ここの書店の人たちのニュース感覚は素晴らしい」と嬉しくなってしまいます。

 お客は男性と女性では好みが異なります。一般的には、文庫を好むのは女性で、新書は男性読者が多いという傾向があります。そこで、小説の単行本と文庫は近い場所に並べることが多いのです。

 一方、新書の棚の近くを見てください。ビジネス書が並んでいることが多いはずです。書店も、お客の動線を考えて、売り上げを伸ばそうとしているのです。

 新刊書に気づくと、まずは手に取り、装丁や製本の具合を見ます。編集者がしっかりと心を込めてつくっている本は、手の感覚からして違います。いかにも安易につくられた本は、買う気になりません。

 外側をチェックしたら、次には中身を。まえがきを読み、中身をパラパラとめくって、「これだ!」とピンと来たら、とにかく買います。買おうかどうしようか迷い、「次に来たときに買うとしよう」としていたら、次に来たときに店頭になかった。そんな経験を何度もしてきたので、「迷ったら買う」を貫いています。その結果、書籍代は相当な金額になりますが、酒が飲めないので、酒代を思えば安いものです。情報を得るにはお金がかかるのです。

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