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小泉進次郎が挑む農協制圧 国会質問で「抵抗勢力」潰し 

2015年から農林部会長 ©文藝春秋

「今年は選挙があるんです」

 2月20日夜、自民党の小泉進次郎農林部会長(35)は都内で行った講演でこう切り出した。

「衆院選じゃないですよ(笑)。農業の世界の選挙、全中(全国農業協同組合中央会)会長選挙です。どういう方が出てくるか、見ものですね。慣れ親しんだ形がいいのか、本当に危機感を持って、ぶれずに改革の方向にいくのか」

 先進的な農家を後押しする「農政改革」を推し進めようとしてきた小泉氏。今年8月に任期満了を迎える現職の奥野長衛氏(70)は年齢制限で出馬できない。小泉氏にとって、蜜月関係にあった“改革派”の奥野氏に近い勢力が会長ポストを失えば、JAグループとの太いパイプが失われることになる。

「現職の辞任で10年ぶりに選挙となった2015年は、非主流派の奥野氏(JA三重中央会会長)が、JA内の有力者が推す中家徹氏(JA和歌山中央会会長)を倒すという番狂わせの結果でした。その後、中家氏を支援した主流派は奥野体制を弱腰と批判し、今回の会長選挙で巻き返しを図ろうとしています。その急先鋒が、小泉チルドレンの元衆院議員で、JA京都中央会の中川泰宏会長です」(農政担当記者)

 中川氏は昨年10月に大阪で自民党が開いたJA向けの政策説明会で、小泉氏を前に、「改革」を糾弾。11月には小泉氏に面会し、闘いの狼煙を上げた。農政関係者の間では、会長選は、小泉氏と中川氏の代理戦争との見方が強まっている。

 対する小泉氏も2月15日、衆院農水委員会で反撃に出た。

「『週刊ダイヤモンド』が報じたJAグループ京都系の米卸が販売するコシヒカリの産地偽装疑惑を取り上げ、農水省に真相を質したのです。記事では中川氏の関与も疑っており、同じ号には小泉氏のインタビューが掲載されています。小泉氏自ら購読を周囲に勧めるほどで、同誌との連携も噂されている。憤慨した中川氏側は発行元のダイヤモンド社などに4400万円の損害賠償などを求める訴訟を起こし、徹底抗戦の構えを見せています」(政治部記者)

 小泉氏が、中川氏と並ぶ“抵抗勢力”と見定めるのは、中野吉實全農会長だ。全中や農水族議員に大きな影響力を持つ中野氏は、中川氏と歩調を合わせ、二階俊博幹事長との関係も深いとされる。

 小泉氏は自ら仕掛けた“農協政局”に勝利できるか。