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連載近田春夫の考えるヒット

近田 春夫
2017/03/08

その歌いっぷりに、指原莉乃リードボーカルでいいじゃん?

『バグっていいじゃん』(HKT48)/『TOKYO GIRL』(Perfume)

絵=安斎肇

 編集から、次回はHKT48なんてどうです?  そう打診があった。そこでとりあえず新曲とはどんなものなのか。ネットを調べてみると、指原莉乃のリードボーカル、もといセンターで曲名は『パクっていいじゃん』とある。ん? ひょっとしてコレ、AKBモノでは久々の好企画なのでは!

 なるほど、いいところに目をつけたもんだと思ったのである。今時の――少々でも問題のある発言などがあればたちまち厄介なことになる――いわば“炎上文化的情勢下”において、こんなタイトル/テーマでシングルを切ってもヘッチャラと申しますか“御意見無用な存在”といったら、アイドルどころか芸能界全域見渡せどわたくし、指原莉乃ぐらいしか思いつきませぬよマジで(笑)。ハイ。

バグっていいじゃん/HKT48(Universal)アニメ『カミワザ・ワンダ』OP。HKT48の9作目のシングル。初のHKT指原センターでも話題に。

 それはそうとその提案(?)自体に関しては、前々から俺も全く同意見だ。大体後発のアンドロイド系スマートフォンなんて、全機種アップルと外見(全くとまではいいませんが)素人目にはほぼ一緒だし。パクってもぜーんぜんオッケーなんじゃんさねェって、アレ全部大手企業がやってるんでしょう? 何よりのお墨付きというものであろう。

 もうそういう時代なんですよと。さすが秋元康。先見の明といいますか……といって正面切っての発言ともなれば立場もある。面倒なことにもなりかねぬ。そこで指原莉乃の御登場とは相成ったと。ウーム……彼女は業界アンタッチャブル解禁の為の“くノ一的刺客”なのやもしれぬな。

 プロデューサーの、その戦略的ともいえる慧眼ぶりを頼もしくも思った俺だったのだが、よくよくCDを眺めてみれば、これはとんだ勘違い!

 俺はてっきり“インスパイア”の意の「パクり」かと思い込んでいた。そうではなく“バグ”すなわち虫のこと、というよりコンピュータ用語のbugだったのだ。やっぱこの歳になると視力は落ちるもんだわいと痛感した次第だが、たしかに“パクったって構わない”のであれば、あのままではちょい不自然だ。例えば“パクって‘も’いいじゃん”とかにするべきですもんね。失礼いたしやした。

 といったところで、改めて『バグっていいじゃん』であるが、どうやらゲームか何かの関連楽曲のようだ。それで“バグ”がキーワードになっているみたいである。

TOKYO GIRL/Perfume(Universal)地方出身者が東京で感じる不安やキラキラしたものへの憧れを歌い込んだのだそうです。

 俺はそうした背景などについては門外漢なので、曲に絞っての感想を述べるに留めようと思っているが、指原莉乃の声、歌いっぷりにはやはり耳がいく。何より感じたのはいわゆる“センター”なんかではない、それこそ堂々のリードボーカルというポジションは、グループの運営上許されぬものなのか? である。「恋愛禁止」の大タブーもなんのそのの人なんだから、そのぐらいもう全然いいじゃん。指原莉乃&HKT48の実現は無理なお願いなのだろうか?

 Perfume。

 最近、題にTOKYOってつく曲、いくらなんでも多過ぎじゃね? 国策だよ多分。

今週の気がかり「先日、妻が買ってきたハンバーガーが、自分の頼んだものと違うって理由で怒り、そのハンバーガーを妻の口に押し付けたってニュースがあったんだよね。で、暴行に駆けつけた義父の登場に驚いて、自分から110番通報して逮捕されたんだって」と近田春夫氏。「ニュースでは何バーガーだったのか秘されていて、ちょっと気になっています」

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