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鈴木 涼美
2017/03/08

キャバ通いの男に囲まれる職場。女としての価値を見つける方法は?

鈴木涼美さんに聞いてみた。

Q 女性としての価値、どう見つければいいですか?

 建築業を自営しています。仕事柄、周りは男ばかりで、キャバクラに行く人も多いです。キャバクラ勤務経験はないのですが、彼女達のことを本やコラムで読んでいたら、私のような勤務経験のない女は、どのようにして自分の金銭的価値を知れば良いのだろう、と思ってしまい、涙が止まらなくなることもあります。

 女同士の人間関係が上手く築けないまま生きてきたこともあり、同性に負けたくないという変な僻み根性もあるのですが、女として何か変わりたいと思い、相談しました。自分の価値に悩んでいます。アドバイスをお願いします。(30代・女性)

A 硬いパンの中にも、蜂蜜はたっぷり詰まっています

 水商売や性風俗産業、あるいはグラビアやセクシービデオの世界にいる女性は女性としての価値が高そうに見えます。それは自分の女としての価値を売る必要があるからです。だからわかりやすく大きな胸、大きな瞳、華奢な手足、鼻にかかった声、潤った唇などの記号を全身にちりばめ、そこから溢れる蜜を金銭的価値に変えて男の人に切り売りしています。

 対して知性や労働の対価としてお給料を受け取っている女性は、人によっては趣味的に女性としてのわかりやすい価値を振りまいている人もいますが、それはあくまで付加価値・お遊び程度。別に女としての値段がつく蜜を垂れ流さなくとも、その人自体は成立します。

 ですから、前者と後者、二人の女性を見比べると一見、蜂蜜が溢れんばかりに塗られたパンと硬いパンが並んでいるように見えるかもしれません。蜂蜜まみれのパンの方が見た目は華やかですから、安易でバカな男性はそちらについつい声をかけ、お金を使い、褒めたり崇めたりするでしょう。硬いパンに目もくれないどころか、失礼な物言いをする人もいます。

 何も悲観することはありません。硬いパンの中には、きちんと同じだけの蜂蜜がたっぷり詰まっています。売るために表面につけた女性としての価値は、集まってきた男たちの手に渡り、そのうち表面に塗られた蜂蜜のように干からびてしまいます。硬いパンに包まれた蜂蜜は、とっておきの男のためにとっておくことができます。

 若い時から女性としての価値を前面に出して、蜂蜜が乾いてしまうまで思い切りちやほやされて楽しむのも良し。本当に価値を示すべき相手に出会うまで、硬いパンの中に価値の蜜を留めておくのもまた良し。私はそのどちらの女性もとても魅力的に、愛おしく思います。

 唯一、気をつけた方がいいのは、卑屈にならないことです。男の人はよく言えば純粋で素直、悪く言えば単純でバカですから、「どうせ私なんて」と自分を安く見積もってしまうと、男もその見積もりを鵜呑みにして価値を安く見まがってしまうことがあります。蜂蜜垂れ流しの女よりも、まだまだしっかりぎっしり詰まっているあなたのような人の方が、持っている価値の量は多いのだから、自らの価値を過小評価しないで、若干高飛車気味に振る舞うくらいで良いと思います。

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