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精力剤で知られた老舗ハブ・マムシ業者が摘発されたワケ

マムシの生体販売も謳っていた(蛇善HPより)

 不老長寿の仙薬を求めて、秦の始皇帝が日本に腹心の徐福を遣わしたのが2200年前。その日本で不老を求める客にマムシの精力剤などを加工販売してきた蛇やスッポン専門の老舗が、警視庁に摘発された。なんと創業明治17年、133年の長きにわたって営業を続けているという。

 警視庁担当記者が説明する。

「摘発されたのは東京・蔵前にある老舗『蛇善(へびぜん)』。毒性のあるマムシやヒメハブを、都知事に無許可で飼育した動物愛護法違反容疑で、社長の浅見隆行容疑者(50)と店に蛇を長年卸していたハブ捕獲業、真喜志康弘容疑者(60)ら計3人が逮捕されました。マムシやハブは人に危害を加える恐れのある危険な特定動物『くさりへび』として同法で飼育が禁じられています」

 蛇善は知る人ぞ知る店だ。派手なパッケージのドリンクとは違い、精力剤は「乱髪黒焼き」などの名前で茶色い小瓶に入れて売られる。「蝮胆臓」という緑色の紙包みはマムシの蒸し焼き。蛇を剥製加工して牙をむき出しにした、今にも襲いかかりそうな姿のアクセサリーも販売していた。

「真喜志容疑者もその道の有名人でテレビでは『ハブハンター』として再三登場。ハブ捕り棒で2メートル近いハブを捕まえ、素揚げにして食す名人芸を披露していた」(同前)

 そのベテラン2人がなぜ摘発されたのか。

「蛇善のホームページを見ると、そもそも無許可飼育という認識が薄かったのではないかと疑われます。《ヒメハブ入荷しました!》などと、平然と生きたままの蛇を写真付きで紹介しているのです。加工品だけでなく、生体についても《飼育はもちろんですが、中華料理の材料(食材)としてのご提供も出来ます》と堂々と売っていた。知人にも気軽に見せていたようで、知人とみられる人物のホームページには蛇善でヒメハブを見せられたという記述まで載っています」(同前)

 浅見容疑者は「蛇は加工の際に殺すので飼育の許可はいらない」と供述しているが、

「いずれは殺して粉末にして薬になる運命なのだからペットではないという理屈なのだろうが、人に危害を加える可能性のある生物を勝手に飼育するなということに尽きる」(捜査関係者)

 ホームページ作成が藪蛇になったか。

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