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連載この人のスケジュール表

つみきみほが、認知症の母を支える売れない女優を演じる

この人のスケジュール表

©2016埼玉県/SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ

「玄関に、エリザベス女王がおみえになったのよ……」

 電話口で年老いた母親がそんな話を始めたら、「は?」となるのが普通だろう。ところがこれ、幻視や錯視が特徴の「レビー小体型認知症」の症状の一例。映画『話す犬を、放す』は、熊谷まどか監督が実体験を基にクスリとさせる作品に仕上げた。主演を務めるのが、つみきみほさんだ。

「このお話をいただいたとき、ちょうど福祉の勉強をしていたので関心のあるテーマでした。作品には真面目な役柄として入ろうとしたのですが、監督からは、できるだけユーモアを意識するように言われました。それで重い介護の話ではなく、『日々の暮らし』を思い描きながら、深刻にならないように切り替えたんです」

 レビー小体型認知症は、投薬で進行を抑えやすいという。そのため、描かれているのは闘病記というよりも母娘のコミカルな生活。母親の病気をきっかけに、売れない女優の娘が自らの人生を見つめ直す、そんな物語にもなっている。

「田島令子さん演じるお母さんの方が明るくて、娘の方が支えられています。物語の最後では、母親が娘の“未来”のきっかけを作ってくれるんです。とても後味のいい作品になっていますよ」

INFORMATION

映画『話す犬を、放す』
有楽町スバル座ほか、全国公開中
http://hanasuinu.com/