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「予約の取れない料理店」をありがたがる小金持ちの事情

「予約の取れない料理店」をありがたがる小金持ちの事情

「予約の取れない料理店」の予約を手に入れるとっておきの方法 #1

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予約の取れない店の元祖といえば……

大木 予約の取れない店の元祖といえば、四谷にある「鮨 三谷」ですよね。次の予約が2年後、3年後とか。店側もあんまり何年も先の予約を取るのってどうなのかなとは思いますけどね。

料理とのペアリングも楽しい「鮨 三谷」

堀江 絶対おかしいですって。だって三谷って定休日ありましたっけ? 昼夜営業して、ペアリングまでやってる。働きすぎですよ、明らかに。僕はああいうスタイルはあまりよくないと思っていて、むしろ予約を取れなくするんだったら、営業日数を減らした方がいいのかなって思いますけどね。

 僕が理想だなと思うスタイルは、岡山の住宅地の中にある寿司「ひさ田」。すごくおいしいお寿司屋さんで、ここも予約が取れない店なんですが、大将は普段は福岡市に住んでいて、金・土・日の3日間しか営業してないんです。

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 あと、予約は取れるけど、六本木のフグ料理「浜藤」の大将の働き方もいいと思いますね。世界で初めて、すべてのフグ料理にトリュフをぶっかけるという料理を開発した、客単価5万円くらいの店で、天然フグの季節にしか営業しない。本業は「串の坊」という串カツ屋を経営しているんですが、そこはスタッフに任せて、あとの半年は世界中食べ歩きをしている。うらやましいですよね。

斉藤 なるほどね。しっかりと休んで、その時間でほかの店に行った方がいろんなアイディアが得られてよさそうですね。

堀江 そうなんですよ。

大木 人気店の店主って、休日は絶対食べに行ってますよね。そしていろんな人たちと繋がっていく。

斉藤 私はカフェ専門なんですが、大阪に「ペンネンネネム」という、オーナーが絵本の中の世界観で店内の空間を作り上げているカフェがあるんです。ここは、朝9時からお店に並んだ人だけがその日の分の整理券をもらえて入れるんです。

大木 そこまでして行きたい理由は?

斉藤 店の中で写真を撮って、インスタグラムにアップしたいという目的の方が強いかも。

大木 そうそう、インスタに上げたいがために店に行ってる人もたくさんいますよね。なかには店の人の話を録音している人がいますからね。後で話を起こして、食べログとかSNSに書くために。