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永田町に「電撃解散説」が飛び交う3つの理由

勝利すれば東京五輪まで続投確実か ©共同通信社

 永田町で「4月総選挙」説が急浮上してきた。

 3月14日午後、自民党の二階俊博幹事長と都連会長を務める下村博文幹事長代行が官邸を訪れ、安倍晋三首相に面会した。永田町に衝撃が走ったのは、二階氏が明かした安倍首相の言葉だった。

「公明党抜きで勝負するいい機会だ」

 政治部記者が解説する。

「衆院解散が早くても今年の秋以降と言われてきた最大の理由は、国政選挙並みに都議選を重視している公明党への配慮。7月の都議選の前後3カ月は解散がないというのは政界の常識でした」

 だが、7月2日の都議選で、公明党は、小池百合子都知事率いる「都民ファーストの会」と政策協定を結んで、逆風の自民党とは距離を置いた。

「安倍首相の発言は『もう公明党への配慮はしない』とも受け取れ、早期解散もありえるとの見方が広がったのです」(同前)

 4月解散の狙いはまず、拡大の一途をたどる森友学園問題を消し去ることだ。

 さらに、台風の目となりつつある小池新党対策にもなる。「都民ファーストの会」は、3月中にも国政についての勉強会を発足させる方針だ。このまま都議選に突入すれば、自民党の惨敗は確実視される。今秋以降に衆院解散となって、勝利の余勢を駆って新党が国政進出に踏み切れば、25ある東京の小選挙区で自民党の苦戦は必至と見られている。

 野党の低迷も後押しとなる。蓮舫代表率いる民進党の支持率は依然低迷したままで、2ケタに届く可能性はゼロに近い。共産党嫌いの野田佳彦幹事長の下、具体的な選挙協力協議も進んでおらず、早期の解散は安倍首相にとってメリットが多いのだ。

「安倍政権に近い産経新聞が、自民党大会翌日の6日に『4月衆院選』をぶち上げ、20日にも、森友問題に明け暮れる国会を『国民の血税が毎日、無駄に浪費されている』と指摘し、紙面上で解散を進言した。解散のムードづくりに励んでいます」(全国紙デスク)

 予算成立後、3月の最終週に解散すれば、最短で4月23日に投票日を設定できる。

「安倍首相は2014年に小渕優子氏、松島みどり氏がスキャンダルで大臣を辞任した際、電撃解散に打って出て勝利した成功体験がある。国会答弁でもすっかり戦闘モードに入ってきた」(官邸関係者)

 春の嵐は、台風並みの暴風になりやすい。解散風は、思わぬ春の嵐となるのか。