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稀勢の里だけじゃない。覚えておきたい日本人力士の名前

盤石の構え(2日目の正代戦) ©共同通信社

「いやぁ~、重たかった。強えぇわ」

 大相撲春場所8日目、新横綱・稀勢の里(30)をもろ差しで攻め込みながら逆転負けした松鳳山は、こう漏らしたという。

「実は日本人同士の結びの一番は、11年ぶり。稀勢の里にとっては今場所初めてヒヤリとする展開だったと思いますが、相手は逆に新横綱の強さを感じてた訳です。前日の御嶽海を破った一番も、協会幹部が『相手に攻めさせ、そこから一直線に逆襲して完勝。正に横綱相撲』と絶賛してました」(相撲担当記者)

 19年ぶりの日本出身横綱として注目されている稀勢の里は、初日から負けなしの9連勝。新横綱の全勝ターンは15日制以降では5人目という快進撃だ。

 これまで肝心なところで取りこぼすことの多かった稀勢の里だが、横綱となったことで、何が変わったのか。

「何といっても精神面でしょうね。落ち着いてよく相手を見られるようになり、得意の左上手をとれなくても、慌てなくなりました。まさに地位が人をつくる、を地でいっています」(ベテラン記者)

 久々の日本人横綱の活躍で、会場は連日、“満員札止め”の大盛況だ。

「8日目時点で稀勢の里は241本の懸賞を獲得。2位の鶴竜と照ノ富士の56本を大きく引き離しています。グッズ売上も倍増しているようで、景気のいい話ばかりです」(スポーツ紙デスク)

 今場所は序盤戦で稀勢の里以外の三横綱が取りこぼす展開で、白鵬に至っては早々に休場してしまったが、その不在をまったく感じさせない。

「稀勢の里だけじゃありません。イキのいい日本人力士が次々登場しており、世代交代を印象づけています。特に初日に白鵬から金星を奪った正代(25)と、新横綱と同じ田子ノ浦部屋の関脇・高安(27)には注目です」(同前)

 高安も新横綱に負けじと、初日から9連勝を飾った。

「稀勢の里同様あまり喋らないタイプですが、コント55号の故・坂上二郎さんに似てるので、ネット上では“二郎さん”と呼ばれています。本人は記者にそのネタを振られて『“飛びます、飛びます”とか、書くなよ』とクギを刺したそうですが(笑)」(同前)

 日本人力士の“飛躍”が期待できる春場所である。

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