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金正男暗殺事件に“新展開” 捜査線上に北朝鮮籍の謎のVIPが浮上

 金正男氏(当時45)が白昼のクアラルンプール国際空港で暗殺されてから1カ月余が過ぎた今月15日、捜査が動いた。マレーシアのザヒド副首相兼内相が、殺害された男性の身元確認の決め手が正男氏の子供から採取したDNA型だったことを明かしたのだ。

「DNAサンプルを提供した人物について、当局は、“正男氏の子供”とだけ発表しましたが、息子のキム・ハンソル氏(21)と見られています」(外報部記者)

 ハンソル氏の行方をめぐっては事件発生直後から、世界中の関心が集まっていた。

「ハンソル氏が身元確認のために、クアラルンプールを訪れたとの情報も流れましたが、マレーシア警察はこれを否定。現地記者の間では、『ハンソル氏の安全確保のために、否定せざるを得なかったのでは』と言われています」(同前)

 そのハンソル氏の動向が明らかになったのは、今月7日。YouTubeにハンソル氏を名乗る人物が動画を投稿、「私の父、金正男は殺害された」と語ったのである。

「動画を公開した団体は、ハンソル氏の身柄確保にアメリカ、中国、オランダ、匿名の計4カ国の政府が協力していたと発表。これに対して、韓国駐在のオランダ大使が、ノーコメントとしながらも、ハンソル氏と何らかの接触があったことは認めました」(同前)

公開された動画のハンソル氏と見られる男性 ©共同通信社

 この動画公開から3日後に、マレーシア当局は「遺体が正男氏のものであることを確認した」と発表している。

「この時点では、その確認方法は伏せられていましたが、15日の発表で、正式に子供から採取したDNAサンプルを用いたことが明かされたわけです」(同前)

 一方で、マレーシア警察は、今も在クアラルンプール北朝鮮大使館に匿われているとみられる3名の容疑者の行方を追っているが、捜査に新たな展開もあるという。

「マレーシア警察のトップが、“捜査線上にあるVIPが浮上した”と発表したのです。その正体については、はっきりと語りませんでしたが、オフレコで北朝鮮籍の人物であることを認めています。例えばクアラルンプールで長年ビジネスをしている北朝鮮籍の人物などの可能性もある」(現地記者)

 世界を震撼させた事件の真相は、未だ謎に包まれている。

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