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連載シネマチャート

百年目の記念日に向かって絡み合うドラマ 「サラエヴォの銃声」を採点!

シネマチャート

〈あらすじ〉

“ホテル・ヨーロッパ”は、第一次世界大戦のきっかけとなった“サラエヴォ事件”の百年記念式典の準備に追われていた。屋上では事件に関する特別番組の撮影が行われており、そこに百年前の暗殺者と同じ名前の青年が現れる。フランスからのVIP(ジャック・ウェバー)は客室で演説の練習に余念がない。従業員たちは給料の未払いに不満を抱き、この日のストライキを企てていた。支配人はストを阻止するために、地下のクラブに出入りする男たちに仕事を依頼する。仕事熱心で美しい受付主任は、洗濯室で働く母親がストのリーダーとなったため、突然解雇を告げられる。そして、一発の銃声がホテルに響き渡る。

〈解説〉

『鉄くず拾いの物語』のダニス・タノヴィッチ脚本・監督作。限られた空間で複数のストーリーがリアルタイムで同時進行し絡み合う、グランドホテル形式の社会派サスペンス。85分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★☆☆複数の人物を交差させる形で描写する、その手腕には唸ったが、強い興味を持てる人物(役柄、演者の個性)がいなくて。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆舞台で巧く捌かれていたら、拍手したくなる緊張感とスピード感。撮影もダイナミックだが、全体に漂う既視感が惜しい。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★☆☆☆サラエヴォの歴史を熟知していなければ、インタビューの演出は単なる口喧嘩で、現実の生き辛さはこじつけにも見える。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆理詰めだが体感性も高いグランドホテル形式の政治寓話。歴史のミニチュアを目撃しているような凝縮力に圧倒された。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆サラエヴォの歴史を背景にホテルの内部と外へカメラが追う。時間の扱い方、冷徹な強制終了、ラストまで緊張感強いられる。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
©Margo Cinema, SCCA/pro.ba 2016
INFORMATION

「サラエヴォの銃声」(仏、ボスニア・ヘルツェゴビナ)
3月25日(土)より、新宿シネマカリテほかにて全国順次ロードショー
脚本・監督:ダニス・タノヴィッチ
出演:ジャック・ウェバー、スネジャナ・ヴィドヴィッチ、イズディン・バイロヴィッチ、ヴェドラナ・セクサン、ムハメド・ハジョヴィッチ ほか
http://www.bitters.co.jp/tanovic/sarajevo.html