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星野 概念
2017/03/28

精神科医が落ち込んだときの対処法は?

星野概念さんに聞いてみた。

Q 精神科医が悩んだらどうするの?

 精神科医の方が落ち込んだとき、ご自身でどのような対策をとられるのでしょうか。同僚の医師に診てもらったりするのか、または自分自身を患者のように扱うこともあるのでしょうか。(40代・女)

A 重いときと軽いときで違います。

 なるほど。こういうことって興味ありますよね。これは落ち込みの度合いによると思います。一般の方と比較しながら考えてみましょう。まず、あまりに落ち込んで、明らかに「うつ状態」である時。このような時、一般の方であれば精神科受診を考えますよね。精神科医も同じです。形式としては、同僚ではない精神科医に相談することになると思います。なぜなら、同僚ほどの繋がりがある場合、相手は主治医というより、既に友人とか先輩後輩の色が強くなります。そうなると、悩みを全て話すことは難しいし、診る方も必要以上にオブラートに包んだような会話をしなければならないからです。他の色々な職業と同じく、友人とビジネス的な関係になるということは難しいわけです。

 逆に、いきなり受診というより、まずは友人に悩み相談をしてみようという程度の落ち込みの場合は、一番身近な同僚に相談するかもしれません。そこで「おまえ一回受診した方がいいよ」と言われたら受診を考えるでしょう。これも一般の方と大きくは変わらないと思います。

 では、もう少し軽度な時。「なんだか最近気分が重いな」と気になりつつも、日常生活はある程度問題なく送ることができている程度の時。これくらいであれば、相談者さまの仰る「自分自身を患者のように」客観視することができそうな気もします。そして、精神科医は心の専門家なので、客観視の度合いに一般の方との差も出そうです。でも、辛くて頭の整理がつかなくなると、結局冷静さを失い自分を客観視できなくなるし、冷静さをいつの間にか失っていたりするのは精神科医でも同じです。だって人間だもの。むしろ、それに気づかず「まだ大丈夫」と油断していたら、いつの間にか重症に、なんてことも十分あり得ます。「医者の不養生」という言葉があるのがその証拠ではないでしょうか。

 つまり、気分が落ち込んだ時の対策は精神科医も一般の方と大きな違いはなく、信頼できる人にまず相談してみることが大切だと思います。なるべく辛くならないように、落ち込みにくい環境づくりや、心の持ち方を目指したいものですね。

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