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「星野源さんが演じるのなら、動揺がにじみ出てしまう方が面白い」と思った

“テレビっ子”野木亜紀子が語るテレビのこと #3

note

朝ドラ、やってみたい気持ちはありますけどね

――連続ドラマならではの魅力って何だと思いますか?

野木 やっぱり積み重ねでしょうね。登場人物の関係性の変化とか、積み重ねによってわいてくる親近感とか。トータル10時間かけて変遷を見せていくのって、映画ではできないことなので、そこが好きです。ドラマの最終回の「ああ、終わってしまう」という寂しさ。ずっと付き合っていた人たちと別れる感じがたまらない。なので、そう思ってもらえるドラマにしないとな、とはよく思います。

『重版出来!』 ©TBS©松田奈緒子/小学館

――今後の野望とかありますか?

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野木 野望は……、とにかく直近の仕事を成功させる。常にそれしかないですよね。毎回1作品ごとに必死なので。もう、ホント戦々恐々ですよ。最後まで自分が面白いと思えるものを書き続けられるのか。自分で書いたものがつまらない時って自分で分かるので、絶望するんですよね。みんな助言はしてくれても、結局書くのは自分であって、最後の最後は自分で考えて直すしかないんです。決定稿までになんとか面白くするのが、脚本家の仕事であり責任なので。まあ、そうやって苦しんだ時のほうが、結果いい回になったりもするんですけど。自分的には毎回ギリギリのところで乗り越えて作っているので、それをどこまで続けられるのか、今回は大丈夫なのか……。でも、それはもう踏ん張って作っていくしかない。

――しかも、今は相当ハードルが上がっていると思いますけど。

野木 そうなんですよ! まずいでしょ、今の変な期待値(笑)。ありがたいんですけどね。

――そろそろ野木さんの朝ドラも見たいです。もうお話はありそうですけど。

野木 ないです、ないです。みんなからすごいそれ聞かれるんですよ。やってみたい気持ちはありますけどね。

のぎ・あきこ/脚本家。2010年『さよならロビンソンクルーソー』で第22回フジテレビヤングシナリオ大賞受賞。脚本作品に『主に泣いてます』(12年)、『空飛ぶ広報室』(13年)、『掟上今日子の備忘録』(15年)など。『重版出来!』(16年)と『逃げるは恥だが役に立つ』(16年)でコンフィデンスアワード・ドラマ賞 年間大賞2016の脚本賞を受賞した。

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「星野源さんが演じるのなら、動揺がにじみ出てしまう方が面白い」と思った

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