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連載シネマチャート

カンヌ「ある視点」監督賞を受賞したヒッピー映画「はじまりへの旅」を採点!

シネマチャート

〈あらすじ〉

ベン(ヴィゴ・モーテンセン)と6人の子供たちは、アメリカ北西部の大森林で、社会から隔絶した自給自足の生活を送っている。ある日、長年入院生活を送っていた妻・レスリーの訃報が届く。ベンは子供たちから「ママに会いたい」と懇願され、仏教徒のレスリーの亡骸を、彼女の両親が住むニューメキシコの教会から“救出”することを決意する。2400キロをバスで移動中、長男の初恋や次女の大怪我などの事件が起こる。さらには義父が子供たちの養育権を争う姿勢を見せ、ベンは窮地に陥る。

〈解説〉

風変わりな家族が世間とのギャップに戸惑いながら、それぞれの生き方を探るロードムービー。脚本・監督のマット・ロスは長編2作目となる本作で、第69回カンヌ映画祭「ある視点」監督賞を受賞した。119分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆70年代ヒッピー風の信念が子供たちの成長によって試されてゆく。その具体的なディテールが興味深い。服や生活様式も。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆新鮮な文明批判を期待したが、主人公の独善と迷いが型通り。硬軟や緩急の配合も教科書的で、お話の枠を突き破れない。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆愛されるシングルファーザーの頑張りぶりと親子の乖離が始まる様子が面白い。遺骨をトイレに流す場面には心底仰天。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★★ゴリゴリの左派一家を描きつつ、口当たりは絶妙にソフト。異なる価値観をぶつけ合い、現代に必要な中庸性を探る試み。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆お洒落ヒッピー・ファンタジー。味気のない『モスキート・コースト』。左翼も哲学も上っ面な脚本をギャグとして楽しむ。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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INFORMATION

「はじまりへの旅」(米)
4月1日(土)より、新宿ピカデリー他全国ロードショー
脚本・監督:マット・ロス
出演:ヴィゴ・モーテンセン、フランク・ランジェラ、ジョージ・マッケイ、サマンサ・アイラー、アナリス・バッソ ほか
http://hajimari-tabi.jp/