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「大人の発達障害」のアノ人とうまく付き合う方法

互いにストレスを溜めないために知るべき傾向と対策

2017/04/16
note

アスペルガーとADHDの違い

【対人関係】
アスペルガー:他人の気持ちを汲み取れない
ADHD:他人の気持ちは汲み取れるが、自分の思いが先走ってしまう。(自己中)

【整理整頓】
アスペルガー:気に入ったものしか持たない、使うと意識からなくなりカメラアイとして覚えればどこに何があるかわかる
ADHD:衝動的に買ってしまう、忘れ物が多く、整理整頓は苦手。片付けられない

【集中力】
アスペルガー:同じパターンで行動することで安心感を得る。好きなことや場所と時間、段取りが身につけば高い集中力を発揮する
ADHD:本当に好きなことに対しては過集中するが、本当にしなければならないことは後回し、周囲が雑然としていると集中力を持続できない

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【仕事】
アスペルガー:作業の一部分にこだわり、全体としてみることができない。優先順位をつけることができない。目的をやり遂げるまでの手順を考えることが苦手。目標を積み重ねて完遂させる。
ADHD:計画的なタスク管理や同じ作業を続けるのが苦手、仕事の過程を意味づけして説明する。

【感覚異常】
アスペルガー:五感のうちどれかが過剰、あるいは鈍麻(感覚が鈍いこと)がある
ADHD:感覚の問題があることは少ない。

 アスペルガーとADHDは一見すると見分けがつきにくいものですが、このように違いが表れます。わかりやすいのは、向いている仕事です。

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アスペルガーに向いている仕事

マーケティングデザイナー
ウェブデザイン
リサーチャー
税理士
調整作業
工場の流れ作業
セキュリティ
芸術職

ADHDに向いている仕事

本人に興味のある仕事
IT
マスコミ
小規模の貿易業
営業

「アスペルガーの人は、同じことを繰り返しやることが向いており、一方でADHDの人はITなど人と対することなく自分のペースでできるような仕事に向いています。

 ADHDの向いている職業に挙げられている『小規模の貿易業』というのは、大規模の貿易会社だと決まった物しか扱いませんが、小規模なら売れそうなおもしろそうなものを探しに行くわけですから、興味関心が移りやすいほうが、思いがけず成功することがあります。ADHDの人は自分の興味がいつも頭のどこかにあり、感性が独特で『目の付け所がシャープ』というわけです。

 また、営業職に向いているとされるのはADHDですが、アスペルガーの人が向いているものもあります。

 例えば同じ車の営業でも、いわゆるブランドカーといわれている外国車はアスペルガーの人ほうが向いているようです。こだわりが強く、『この人の言うことは信頼できる』と思わせてしまうのです。しかも、着ているものも趣味のよい一流のことが多い。実際、私の患者さんの父親でアスペルガーの男性で、外国車メーカーの営業トップになったという方がいます」