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フジモンが考える「一発芸」の運命と「パクリ芸」の使命

“テレビっ子”藤本敏史が語るテレビのこと #3

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『スター名鑑』はまたどこかでできるんちゃうかな

――藤本さんも出演されていた『クイズ☆スター名鑑』がわずか3ヶ月で終わってしまいました。そういう面白いだけの番組が、最近は厳しい状況ですね。

藤本 でもね、思うんですけど、時代が時代がと言っていても、しょうがないんですよね、そういう時代なんですから。その中で僕らが模索して面白いものをお届けするということを考えるしか、僕はないと思うんですけどねえ。いまネット番組とかも出させてもらってるんですけど、やっぱり縛りが緩いので楽しいんですよ。でもやっぱり僕は、テレビでもう1回って思うんですよね。テレビ離れって言われて、ネット番組が面白いのは分かりますよ。だけどテレビをもう一回復興じゃないですけど、80年代、バラエティが一番元気があった頃に少しでも近づけたいというのはありますけどね。でも、こんなことまでクレームが来るようになったかというような話を、スタッフから聞くようになったりするんですよね。餅つきがダメな時代、除夜の鐘がダメな時代ですからね。

 

――そうなるとどうしても、自粛ぎみになってしまう。

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藤本 なってしまうのが、これはしょうがないですね。でも、そんな中でも何かやりようがあると、僕はあると思うんですよ。昔のね、『(志村けんの)バカ殿様』とか、おっぱいとかガンガン出てきた時代というのは、ワクワクして見てましたけどねえ。

――『スター名鑑』が終わってしまったのはショックでしたか。

藤本 いやでも、『スター名鑑』はまぁ、終わるやろうなと(笑)。まだどこかでできるんちゃうかというのもあるので。

一発芸をもうちょっと引っ張ってあげたい

――総合演出の藤井(健太郎)さんは、それまで接してきたテレビマンの中で珍しいタイプですか?

藤本 珍しいタイプというのか、もうお笑いが大好きですね。芸人が大好きというのか。スゴくこっちの意向をくんでくれる人ですね。やっぱり一緒にやってて面白い人です。あと『アメトーーク!』の加地(倫三)さんもそうですし。面白さを第一に考えてくれてる人です。

 

――だからやりやすい。

藤本 やってて楽しいですね。『アメトーーク!』では、「パクリ芸」をやらせてくれたのも、ありがたかったですね。『エンタの神様』が好きだったんですけど、ちゃんとしたコンビの漫才とかコントじゃなくて、マニアックな「生徒会長金子」とか。分かります? 「ですよ。」であったりとか。ちょっと裏目線で見てたところもあるんですけど、そういうのが僕、大好きだったので、今も覚えてるというのがあるんですよね、一発屋というのを。お笑い界って、あれだけ流行ったのに、すぐに廃るというのが、もうちょっとなんとかならんかというのはあるんですよね。もちろんパクリをやらせてもらって、どこでやってもウケるので恩恵はめちゃくちゃ受けてますけど(笑)。僕のギャグやと思ってる小さい子とかいてるので、それは悪いなと思うんですけど。なんとか引っ張ってあげたいなというのもあるんですよね。