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スカーレット・ヨハンソン「ビートたけしさんは素晴らしいユーモアのセンスを持っている」

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2017/04/07
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 日本のSFマンガの実写化作品に、ハリウッド一セクシーな女性が主演する。『攻殻機動隊』の世界観はスピルバーグをはじめ国内外のクリエーターに絶大な影響を与えてきたが、主人公の全身義体の少佐役を演じるのは、スカーレット・ヨハンソン。『ゴースト・イン・ザ・シェル』のキャスティング発表時、昨今ハリウッドにおける人種の偏りが問題になる中、思わぬ批判の矛先を向けられた。

「あれにはちょっと驚いたわ。少佐のキャラクターに国籍はないと思っていたから。体はロボットだし、彼女にはアイデンティティがないのよ。不満を感じた人も、映画を見たら納得してくれると思う」

 原作のマンガや押井守のアニメについては知らなかった。

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「日本のアニメには詳しくないの。でも、脚本と一緒に送られてきたDVDを見て、すごいと思ったわ。日本では95年に映画が公開されたらしいけれど、当時はとても急進的だったでしょうね。今の観客は、本作をさほど遠い未来の話とは感じないんじゃないかしら」

©2017 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

 ビートたけしとの共演も大きな話題を呼んでいる。

「たけしさんは、素晴らしいユーモアのセンスを持っている。私は日本語をまるで話せないし、彼も英語をあまり話せないんだけれど、一緒にお仕事をするのは楽しかったわ。茶会のシーンでは、作法が間違っていると言って、正しいやり方を実演してみせてくれたりもしたわよ(笑)」

 じつは、彼女の手元に脚本が届いたのは、長女ローズちゃんを出産した2カ月後。

「母になったことで、自分は人として大きく変わったと思う。優先順位が変わるから、小さなことにいちいち反応しなくなるの。誰かに完全に頼られていると思うと、物事に対する視点が変わるのよ。今は、娘が健康で、幸せであってくれればいい」

 ローズちゃんの父親で彼女の2番目の夫となった男性は、フランス人。NYとパリを往復する生活を送るうちに、夫婦でパリにポップコーン店を開く新事業を思いついた。

「彼と付き合い始めた頃のある日、私が数種類のフレーバーのポップコーンが入った巨大な箱を買って帰ってきて、彼に『何、それ? 味付きポップコーン?』と驚かれたのが始まり。今のところ、ビジネスは順調よ。そのうち、東京のような私が愛する他の街にも拡大したい」

 だが、その夫に対し、ヨハンソンは、先月、離婚を申請。その少し前には、「パートナーをひとりの相手に決めるのは不自然なことだと思う。そう言うと怒られそうだけど、すごく大変なのよ」と発言している。セクシー女の代表にとって、結婚は窮屈だったよう。娘だけでなく、やっぱり自分の幸せも大切!?

1984年ニューヨーク生まれ。8歳のときにオフ・ブロードウェイの舞台『Sophistry』でデビュー。2003年公開の『ロスト・イン・トランスレーション』、『真珠の耳飾りの少女』での演技が高く評価され、各賞を受賞。大ヒット作『アベンジャーズ』や『LUCY/ルーシー』など出演多数。

INFORMATION

『ゴースト・イン・ザ・シェル』
4月7日(金)全国公開
http://ghostshell.jp/

スカーレット・ヨハンソン「ビートたけしさんは素晴らしいユーモアのセンスを持っている」

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