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伊藤 章良
2017/04/19

2回目のハワイは「ハワイアン航空午前0時羽田発」に乗る

2回目からのハワイを楽しむディープな旅行術  #1

 ハワイに行く前、そして帰ってきた皆さんから話を聞くと、出かける前に探したハワイネタは、ビギナーのためのガイドブックか、現地でクルマを乗り回せる上級者への情報提供ばかり。実は、一番ボリュームの厚い2回目、3回目の、これからもっとハワイを知りたい層に向けた情報が少ないことを知らされる。

 そこで、イベントプロデューサーとして1980年代からハワイ渡航歴50回以上、平均滞在期間2週間のぼくが、ハワイに別荘を持つようなセレブからの提案ではない、あくまで短期旅行者の立場で、初心者でも上級者でもないハワイ好きへのより深く充実した「旅と食」を楽しむコツについて紐解いていきたい。

ハワイは日本の春から夏に訪れる

 まず、どの季節にハワイに行くかだ。正月明けの情報番組で一斉提供される芸能人のハワイ休暇を見ると、冬に暖を求めて行くのが最適なように思える。

 ただ、それは違う。ハワイに行った経験のある方ならご存知かと拝察するが、「この木なんの木」に代表される大きな木々が豊富に茂り随所に緑があふれている。つまり雨もよく降る証拠だ。ハワイのオアフ島の場合、雨は特に日本の冬のシーズンに降る。つまり正月は雨が多くて寒い日もあり、ベストなシーズンといえない。

 ベストは来月から梅雨の季節、日本の真夏にかけてである。なぜわざわざ暑い季節に暑いところに行くのかと問われるかもしれない。

羽田空港便を選べば、ハワイには朝着く ©iStock.com

 ぼくは毎年、日本の真夏にハワイに避暑に行く。日本の極度に蒸し暑い気候を逃れさわやかな風の吹くハワイにたどり着いたときこそ極楽を知る。さすがに常夏の島では、日の当たるところは暑いが、陰に入った瞬間からクールダウンする。さらに、夕方から夜にかけてのたそがれ時は、日本では春か秋に数えるほどしか味わえない快適さなのである。

ハワイ旅行は短期決戦と心得る

 旅行社が販売しているハワイへの最短ツアーは3泊5日。日付変更線を超える移動から、アジアを旅するより1日余計にかかってしまう。常夏の島でノンビリしたいと切望しつつも、かなりの短期決戦なことを意識し、日本からのアプローチも、現地でも、移動の時間を切り詰めることが重要なのだ。

できるだけ遅く日本を出発する

 旅は、乗り物と宿泊から着手する。首都圏からハワイに行くには、成田発と羽田発、二つの手段がある。単純に羽田は近いからいいよね、でもちょっと高いから成田にするか、みたいな理由で決めてはいけない。

 成田発は、夕方18時台から22時ぐらいまで幅広く飛んでいる。もし18時、19時台を選べば、空港までのアクセスを考慮すると出発日のほぼ半日を失うことになる。またホノルルへの到着も早朝7時前後で、イミグレーションは空いているものの、通常は15時までホテルへのチェックインができず、気持ちが落ち着かないし朝から午後の時間を持て余すことになる。

 一方羽田便は、2017年4月現在JALの欠便が残念なものの、21時30分~深夜までの3便。その日普通に仕事をこなせるばかりか、あまり行く機会のない蒲田辺りで餃子でも食べてから空港に入る、といったオプションまでついてくる。

 短期決戦を意識するなら、行きの機内で少しでも多く睡眠をとり到着してから元気に動き回れるよう態勢を整えるのが理想。遅い便になればなるほど、搭乗後すぐに眠れるという利点もある。

 結果、月火木土のみのフライトだが、ハワイアン航空の午前0時前に離陸する便がベスト。復路も18時前後の便と組み合わせれば、現地出発日の夕刻まで有意義に過ごすことができる。ただし羽田着が22時過ぎになるので、帰宅困難なエリアが出る可能性には注意したい。

ホテルは快適性と立地の両面から選ぶ

 日本からの渡航者がもっとも多く利用するであろうホテルに、ヒルトン・ハワイアン・ビレッジ(以下HHV)がある。オアフ島で「村」まで形成する巨大ホテルリゾートだが、短期決戦の旅行を考えると、幼い子供がいてこの中でほとんど過ごすか、よほどの格安ではない限り避けたい選択肢だ。

 HHVはハワイ最大の客室数を保有し、バスの乗降にも広いスペースがあるのでツアー客を当て込みやすい。ただ、立地があまりよくないことを滞在して初めて気づくだろう。

 HHVは、ワイキキの中心からも、大きなショッピングモールや個性的な飲食店があるアラモアナ地区からも徒歩ではツラい場所にあり、各旅行社が運行しているトロリーや路線バスを利用しなければ動きがとりにくい。結果として、移動に時間がかかるのだ。加えて、HHVから徒歩で行ける範囲にも、推薦できる飲食店が少ない。

おすすめのホテルはどこか

 HHVと同じ程度のランクで選ぶなら、例えば「プリンス ワイキキ」はどうだろう。全室、ヨットハーバーを望むオーシャンビュー、ワイキキの喧騒から離れ静かで穏やかな大人の立地(もうすぐ隣にホテルが建つのでその後どうなるかは未知数だが)。しかもワイキキへは無料のシャトルバスが出ていて、ワイキキを一つの観光地としてとらえることができる。

プリンス  ワイキキ ©iStock.com

 逆にアラモアナ地区へはぎりぎり徒歩圏なので、昼夜含め食事場所に困らない。

ハワイはおいしい店がないのだろうか

 ホノルル国際空港のあるオアフ島宿泊施設のほとんどはワイキキで、旅行者の場合、そこを外して滞在することは難しい。

 宿泊施設同様ワイキキには数限りない飲食店もあるが、高級ホテル内とか熟考の上リーシングされる新しい商業施設を除けば、すぐれた店に出会える可能性は低い。ハワイでの食事がイマイチだったという旅行者に話を聞くと、たいていはワイキキエリアやサンセットクルーズでのディナーが例に上がってくる。もしくは、「朝は我慢して昼はマック、スタバでお茶して、夜はアロハ・テーブルでハワイの料理を食べた」という。すべて日本にもある店ではないか。

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