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池上 彰
2017/04/10

いまさら聞けない、間違えやすい日本語

池上さんに聞いてみた。

Q いまさら聞けない、間違えやすい日本語を知りたい!

「情けは人のためならず」「君子は豹変す」の意味を、「情けをかけても人のためにはならない」「偉い人はすぐに怒る」と誤解していました(笑)。他に、間違えやすい慣用句があれば教えてください。(20歳・男・大学生)

A たとえば「役不足」。

 春は異動の季節。こんな挨拶をする人がいますね。

「このたび○○部長を拝命しました。役不足ではありますが、一所懸命頑張りますので、どうぞよろしくお願いします」

 この人は、おそらく謙遜しているつもりなのでしょう。「私のような者は、○○部長など務まらないかも知れませんが」という意味なのでしょう。

 ところが本来「役不足」とは、「自分の能力からすれば不十分だ」という意味なのです。ですから、この人の挨拶は、「○○部長など、私の能力には見合っていない低い職位だが、まあ頑張るぜ」という意味になります。

 謙遜して言いたいのなら、「力不足ではありますが」と言えばいいのです。

「汚名挽回」などという言い方もありますね。これでは「汚名を挽回」することになります。わざわざ汚名を着るのか、ということです。これは、「汚名返上」と「名誉挽回」が間違って合体したのでしょうね。

 雨が降っているのに「雨模様」という人がいます。「雨模様」とは、「いまにも雨が降りそうな様子」を言います。降っていたら使えないのです。

 でも、言葉遣いは多数決。いまや「雨模様」と言おうものなら、「あれ、雨降っていないですよ」と言われかねません。こうして間違った用法が定着していくのです。

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