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まるでミステリー小説 “寺社連続油かけ事件”犯人は誰だ? 

明治神宮の門と鳥居にも染みが ©共同通信社

 宗教的なテロか、ただのイタズラか。世界遺産に登録されている宗教施設などに油のような液体がかけられる事件が昨年11月頃から始まり、今年4月以降は拍車がかかっていることが、警察当局の捜査で判明した。

 社会部記者が解説する。

「被害が確認されているのは昨年11月20日~23日に奈良の興福寺、橿原神宮、喜光寺。今年4月に入ってからは、1日に奈良の金峯山寺と、京都の下鴨神社で被害があったのを皮切りに、2、3日に沖縄の首里城跡の守礼門、3日に沖縄の旧崇元寺第一門と東京の明治神宮、4日に東京の増上寺と、被害が全国にまたがって拡大しました。宮田亮平文化庁長官は遺憾の意を表明しました。地域は離れていますが、行程を考えると実は1人でも犯行に及ぶことができる。奈良県警や警視庁は同一人物の犯行の可能性があると見て捜査しています」

 寺社などにはそろって大人の胸の高さ程度の場所に粘着性の無色の液体がかけられ、染みになっていた。宗教関係者によると「油染みを取るのは難しい。復旧には数十万円以上の費用がかかる」という。犯行声明などは出されていないが、2年前に起きた類似事件を思い出させる手口だ。

「2015年に起きた米国在住の日本人医師の犯行にそっくりなのです。男は韓国のキリスト教系の新興宗教団体の代表で、『お清め』などといってキリスト教以外の宗教施設に油をかけることを奨励していました。千葉県の香取神宮などが被害に遭い、当時、千葉県警が建造物損壊容疑で逮捕状を取りました。男はニューヨーク在住で、在日韓国人の両親のもとに生まれ、日本に帰化していた。いまだ帰国しておらず、逮捕には至っていません。今回もこの医師がらみの可能性を指摘する向きもあります」(前出・記者)

 だが、捜査関係者は別の見方をしている。

「首里城は琉球王朝の城で、宗教施設とはいえない。これが含まれていることが引っかかる。奈良から被害が発生していることから奈良周辺に住み、日本的なもの全般に反感を持つ反日思想の持ち主の可能性が高いのではないか」

 2年前は、防犯カメラに男が建物に液体をかけている様子が映っていた。警察は染みの成分分析や防犯カメラの解析など調べを進めている。

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