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“律儀な宇宙人”阪神・糸井嘉男が「絶好調」の理由

5階席に届く特大3ランだった ©共同通信社

“宇宙人”こと阪神の糸井嘉男外野手(35)が絶好調だ。

「僕も鳥肌立っています」

 前日にバレンティンらの乱闘があった5日のヤクルト戦では、3試合連続となる本塁打を放ち、お立ち台でも“千両役者”ぶりを見せつけた。

 金本知憲監督が“初めての恋人”と言って口説き落とした糸井だが、今季のスタートは最悪だった。自主トレで古傷の右ヒザを痛め、キャンプは完全別メニューで過ごして周囲をヤキモキさせた。

 糸井自身、「阪神に来て、いきなりケガして、何を言われるか分からないと思っていた」というが、フタを開けてみれば、10日現在、8試合に出場し、打率3割7分、3本塁打、10打点。開幕6試合までの得点圏打率は驚異の10割を記録した。

「ケガをしても、金本監督が『身体さえできれば……』と信頼して無理させなかったのが良かった。プレー面でいえば、セ・リーグのスコアラーは、“糸井は内角が苦手”と分析していましたが、なぜかその内角を打ちまくっている。本当に内角を克服したのかはわかりませんが、いかにも“宇宙人”らしい」(スポーツ紙デスク)

 人気球団だけに新加入選手にかかる期待とプレッシャーも並大抵ではないが、チームメイトもうまく糸井をサポートしているという。

「特に福留孝介ですね。彼も糸井と同じく鳴物入りで阪神に来て、1年目はケガもあり、打率は2割を下回り、ファンやマスコミから批判された。福留は『僕も経験してるんで……』と糸井が孤立しないようにやりやすい環境を作ろうと、キャンプ中から声をかけたり、かなり気を遣ってましたね」(同前)

 オリックス時代から取材している記者は、「糸井自身の人間性も、周囲のサポートを増やし、プレーしやすい環境をつくっている」という。

「糸井は、ああ見えて、かなり律儀な男なんです。FAしたときも、時々の心境を逐一オリックスのフロントに伝えていた。阪神行きを決めてからも、オリックスのファン感謝デーや納会には顔を出した。実はあれはなかなかできないことです。ファンはちゃんとそれを見ているから、オープン戦でオリックスと対戦したときも、暖かい拍手が贈られました」

 愛される“宇宙人”の超絶プレーから目が離せない。

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