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はしゃぐ麻生氏と慎重な谷垣氏 自民党「大宏池会」構想は実現するのか?

再登板に意欲? ©共同通信社

 麻生太郎副総理兼財務相(76)の怪気炎が止まらない。4月12日、麻生派パーティーで、こうぶち上げた。

「自民党の中で、大きな政策集団が切磋琢磨する方が政治は安定する」

「大きな政策集団」が意味するのは、「大宏池会」構想だ。安倍晋三首相の退陣後を見据え、第1派閥・細田派の清和会と宏池会系の2大派閥を作り、党内で擬似政権交代を起こすことで、自民党永久政権を狙うというのだ。

「まずは同根の谷垣グループとの合流を先行させ、最終的には岸田派を呑み込もうという算段です」(麻生派関係者)

 だが翌日、麻生氏の合流への理解を求める手紙に対する谷垣禎一前幹事長の返信が公表された。谷垣氏は合流に慎重な立場を示し、グループの逢沢一郎元国対委員長は「ごく近い将来、合流するという認識はない」と言い切った。

 それでも麻生氏周辺は意気軒高だ。

「谷垣グループの佐藤勉氏、棚橋泰文氏ら合流積極論者はたくさんいる」(同前)

 最近の麻生氏のはしゃぎぶりを、経済官庁の幹部は「ペンス副大統領との『日米経済対話』を仕切ることが決まってからだ」と解説する。

「それまで消費増税、衆参ダブル選挙など政権の重要局面で、麻生氏は菅義偉官房長官と対立。安倍首相は、ことごとく菅氏に同調し、麻生氏は不満を募らせていました。首相周辺もこのままでは政権に亀裂が入ると、麻生氏の出番を作った。それが日米経済対話だったのです」(同前)

 軌を一にして、麻生氏は派閥拡大に動く。菅氏と同じ神奈川県選出の甘利明氏らが麻生派に入り、メディアで“大宏池会”構想が騒がれるようになった。しかし、官邸関係者はこう首を傾げる。

「麻生さんサイドの発信を真に受けると痛い目にあう。谷垣グループだって、棚橋氏らは『合流で谷垣さんの了解を得ている』と喧伝(けんでん)していたが、この始末。中谷元氏など古参メンバーは『ポスト目当ての棚橋氏たちと我々は違う』と漏らしています。さらに、山東派も前会長の大島理森衆院議長は合流反対です」

 岸田派関係者も続ける。

「岸田文雄外相も慎重です。それは『結局、麻生さんが再登板を狙うための布石』との疑念が消えないためです」

 麻生氏周辺は「5月連休明けには合流話が加速するよ」と予言してみせるが、果たして成り行きは――。

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