昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載THIS WEEK

卓球・平野美宇をアジア王者に導いた「スタイル」と「性格」の変化

優勝の瞬間、この笑顔! ©共同通信社

 4月15日、卓球のアジア選手権で平野美宇(17)が優勝した。同選手権での日本女子の優勝は小山ちれ以来、21年ぶりの快挙だ。

「しかもリオ五輪金メダルで世界ランキング1位の丁寧、2位の朱雨玲ら中国の超強豪選手を次々と破っての優勝は価値が大きい。勢いだけではなく、世界トップを争う真の実力をつけたことを示しています」(一般紙五輪担当記者)

 平野といえば同学年の伊藤美誠との「みうみまペア」で国際大会で優勝しているが、最近では、シングルスでも躍進。今年1月の全日本選手権では、3連覇中だった石川佳純を破って、史上最年少優勝を飾った。飛躍の転機となったのは、ペアを組む伊藤の存在だったという。

「伊藤はリオ五輪に出場し、団体戦で銅メダル。一方の平野は代表に選ばれなかった。控えとしてリオには行きましたが、試合を観戦して、さらに悔しさが募ったそうです。その経験がバネになった」(スポーツ紙デスク)

 五輪代表から漏れて以来、それまでの粘り強く球を拾い相手のミスを待つスタイルから、攻撃力に磨きをかけて自ら仕掛けるスタイルにモデルチェンジした。

「さらに中国リーグに参戦し、実力をつけ、数々の大会で好成績を残してきました。昨年は国際卓球連盟から最も躍進した選手に贈られる『ブレイクスルー・スター』に選ばれています」(同前)

 前出の一般紙記者はこう指摘する。

「プレーだけではなく、性格も変化したように感じられます。もともとは、どこかおっとりしたところがありましたが、このごろは、勝負への執念というか、覇気が感じられるようにもなりました」

 今大会の平野を、国際卓球連盟は公式サイトで「ハリケーン・ヒラノ、再び衝撃」と伝えており、来る東京五輪での活躍も期待される。

「五輪の出場枠は3名ですが、その平野といえど決して“当確”とはいえません。石川佳純が健在ですし、伊藤も強い。福原愛も東京五輪を視野に現役を続行、さらに10代前半の若い世代に楽しみな選手がいる。それだけ今の日本卓球界は層が厚く、充実しています」(同前)

 絶対王者・中国を、平野ら日本勢が追い落とす日は、そう遠くなさそうだ。

はてなブックマークに追加