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連載シネマチャート

貧困と麻薬にまみれて暮らす三姉妹の記録

シネマチャート

〈解説〉

ルーマニアに生まれたアレクサンダー・ナナウ監督の3本目となる長編ドキュメンタリー。ブカレスト郊外にあるロマ・コミュニティに暮らす3姉弟を通して、麻薬や貧困といった社会問題を浮き立たせ、未来への希望を示す。17歳のアナ、14歳のアンドレア、10歳のトトは、母親のペトラが麻薬取引の罪で服役中のため、狭い部屋に身を寄せ合って暮らしている。夜になると麻薬中毒者たちが集まるこの部屋にアンドレアは寄り付かず、友達の家を泊まり歩いている。アナは何度もドラッグをやめようとするがどうしても断ち切ることができない。アンドレアはトトを連れて孤児院に入ることを決意し、監督から渡されたハンディカムでトトや孤児たちを撮影し始める。トトはヒップホップダンスに夢中になり才能を発揮する。93分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆蒙昧な母と長女に苛立ちつつ、次女の強さとダンス少年のファニーな動きに一筋の光明。娯楽性は薄いが凝視させられた。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆貧困と麻薬と毒親。握力の強い三大災難の包囲を凝視した映画。次姉の言動が微かな希望だが、この撮り方しかないのか。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★☆☆これがドキュメントということに胸が詰まる。生きる環境も親も選べないが、自分たちを撮影する行為に救われてほしい。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆余りに痛切な現実。「作品」として受容するのが辛い。だが闇の中の希望を活写する力など、やはり優れたティーン映画だ。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆観察することに徹した記録映像。観る者が子どもの目線と一体化され、あの場に引き込まれる。14歳の次女の表情が光る。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
©HBO Europe Programming/Strada Film
INFORMATION

「トトとふたりの姉」(ルーマニア)
4月29日(土)より、ポレポレ東中野ほか全国順次公開
監督:アレクサンダー・ナナウ
出演: トト、アンドレア、アナ、ペトラ ほか
http://www.totosisters.com/

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