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生島 淳
2017/05/11

“ハーフアスリート”は日本のスポーツを変えるか?

スポーツ界が日本社会を「先取り」する

 スポーツ界でのハーフアスリート達の活躍がめざましい。その背景には何があったのか。今後の流れはどうなるのか。さらに、日本社会において、彼らがスポーツ以外の領域で果たしうる役割を考察する。
(出典:文藝春秋オピニオン 2017年の論点100

次は「東京五輪」―活躍するハーフアスリートたち

 リオデジャネイロ五輪で金メダル12個を獲得した日本の活躍を振り返った時、はっきりと新しい流れを感じることが出来た。

 いわゆる「ハーフ」の選手の活躍である。

 中でも鮮烈な印象を残したのが、柔道の90kg級で金メダルを獲得したベイカー茉秋(東海大)。彼は父がアメリカ人で、日本が苦手としてきたこの階級での優勝は、柔道界での新たな潮流を予感させる。

ベイカー茉秋選手 ©雑誌協会代表

 また、陸上の男子4×100mリレーでの銀メダルは日本のスポーツ史に残る快挙だったが、アンカーを務め、一瞬ではあるが、ウサイン・ボルトに並びかけたケンブリッジ飛鳥(ドーム)は、父がジャマイカ人だ。

ケンブリッジ飛鳥 ©文藝春秋

 素質が重要な要素を占める陸上スプリント種目で、鍛えあげられた肉体を持つケンブリッジのランニング・フォームを見ると、まだ日本で誰も破ったことがない100m10秒の壁を早晩、突破するのではないかという期待が高まる。

 ベイカー、ケンブリッジは時代の先駆けにしか過ぎない。今後、東京五輪に向けて、ハーフの選手があらゆる競技で日本代表に入る流れが加速することは間違いない。東京五輪で代表入りが有望視されている選手を見てみよう。

・陸上男子
サニブラウン・アブデルハキーム(短距離・城西大城西高)

・陸上女子
エドバー・イヨバ(短距離・日本大)
高松智美ムセンビ(長距離・大阪薫英女学院高)

・バレーボール女子
宮部藍梨(金蘭会高)
東谷玲衣奈(八王子実践高)

・バスケットボール男子
八村塁(ゴンザガ大)

・バスケットボール女子
馬瓜エブリン(アイシン)
オコエ桃仁花(明星学園高)

 ちなみにこのオコエ桃仁花の兄は、2016年にドラフト1位でプロ野球・楽天に入団したオコエ瑠偉。兄妹そろって身体能力の高さが目立つ。

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