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「GWは北朝鮮旅行へ」中国庶民の薄い危機感

情報が入ってはいるけれど

2017/05/11
note

【GW北朝鮮旅行2日パック 850元(約1万3800円)から】

<日程>

【1日目】
朝、延吉市を出発、200キロ離れた圏河国境にて出入国手続き。
北朝鮮側ウォンジョン国境より65キロ、ラソン市に到着。
昼食後に革命事跡館にて太陽像(金日成・正日の肖像画)を見学後、温室にて金日成花・金正日花を鑑賞。
その後にラソン港を30分観光。国営土産物店でショッピング。
ラソン市中心劇場もしくは現地幼稚園にて、北朝鮮の小中学生のショー鑑賞。
夕食後にホテル泊。

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【2日目】
朝食後に美術展示館・外文書店を参観し、ビバ島を遊覧観光1時間。
海鮮加工工場を見学後、国境に移動。中国入国後に延吉市内にて楽しい旅行を終了。

<注意事項>

・IDカードとパスポートを必ず携帯すること。
・洗面用具や歯ブラシ、スリッパなどは各自で準備のこと。
・北朝鮮では人民元(中国の貨幣)が通用するが、6000元以上の持ち込みは不可。
・小型のデジカメ持ち込みは可能。ただしフィルムカメラは持ち込まないこと。
・通信用具、大型望遠鏡・録音機は持ち込まないこと。
・韓国製の食品、贈答用品・印刷物などは持ち込まないこと。
・旅行中の撮影、録画は観光地のみでおこない、他の場所を撮らないこと。この規定に違反した場合は北朝鮮にて勾留されることがある。
・金日成の銅像を参観するときには厳粛に。主席のポーズを真似して写真を撮ったり、主席像の半分だけを撮ったりしないこと。自発的に献花をおこない、中朝友好の気持ちを示すこと。
・旅行中は旅行会社の指示に従って観光すること。勝手にツアー団を離れての単独行動、親戚・友人訪問や商業活動をおこなわないこと。ルールを守り、密貿易や麻薬販売などの非合法活動をしないこと。
・祖国の安全、名誉、国益を害する行為をおこなわず、北朝鮮の係員と政治的な話やデリケートな話はせず、中朝両国の友情の架け橋となるべく努めること。
・持ち込んだ食品を、現地の路上の人や子どもなどに勝手にあげてはいけない。礼儀に気をつけて現地の人と友好的に接すること。
・北朝鮮の子どものショーが終わった後は、アメ・ビスケット・ノートなどのごほうびをあげて、両国の友情をはぐくむようにすることが望ましい。

<ひとことアドバイス>

・ホテルのハード面での設備は限界があり、しばしば停電し、たまに断水します。
・道路は比較的未舗装路が多く、車両は普通は中古の韓国車や日本車です。
・ガイドは多くがピョンヤン大学中国語学部の卒業生で、サービスがよく礼儀正しい人たちです。ただ、旅行シーズンはガイドの需要が増えるので、ガイドたちには中国語がそれほど上手ではない人もいます。ご了承ください。
・北朝鮮旅行の日程は当日の決定事項を優先します。北朝鮮の政治的な要因によって観光ができないスポットがあることもあります。

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 上記のツアーの他にも、北京発の空路や遼寧省瀋陽発の国際列車でピョンヤンやケソンに向かうツアーの催行も確認できる。実際の参加者も、絶対数はすくないものの微博(中国版ツイッター)を検索して見つけることができる。例えば下記は、核・ミサイル危機が持ち上がって久しい4月27日から30日まで北朝鮮旅行に行ったという湖北省武漢の女性の書き込みだ。

「フォトショップで加工しなくても北朝鮮の青空はこんなにキレイ!」だそうである。たしかに中国よりも空気がよさそうだ。

 ほか、中国国内には北朝鮮が外貨の獲得を目的にして開設している国営レストランが多数ある(特に中国東北部の瀋陽や丹東などに多い)。微博を検索してみると、こちらでもGW休暇中のグルメレポートとして北朝鮮レストランでの食事の写メや、“北レス”の名物である北朝鮮美女店員の歌謡ショーの動画をアップしている人たちが見つかる。緊張感は限りなくゼロだ。